ゴルフを嗜む者であれば、生涯に一度は経験したいことが3つあるとされる。「ホールインワン」「アルバトロス」、そして「エージシュート」だ。偶然などによってもたらされることが多いホールインワンなどとは違い、自分の年齢よりも少ない数字のスコアで回るエージシュートは、真の腕前だとされる勲章の1つ。そして何より、70代、80代、90代…でゴルフができる「元気の証」でもある。ゴルフを始めた経緯も、その人生も様々。現役エージシューターから学ぶ「体のこと」「ゴルフの極意」をお届けする。
夕食の白米抜きを7~8年続けている
これまで34回のエージシュートを記録している和田孝弌(86歳)さんの1日は、毎朝5時前後、布団の中での運動からスタートする。
「起きる前に布団の中で片足ずつ真っすぐ垂直に立て、左右に倒す運動を30回繰り返します。腰が張って重いときも、このストレッチをやると軽くなってすうっと起きられます。布団から出たらコップ1杯の水を飲みます。
その後、テレビをつけてニュースなどを見ながら、血圧測定器で血圧を測る。特に健康に注意しているわけではないけれども、だいたい下が90前後、上が140で、それ以上にいっていないか安心材料として測定する習慣にしています」(和田さん)
こうして朝の“ルーティン”を終えると、7時前後に食事をとる。
「朝食は、昨夜の残り物などを少しずつ食べる程度です。特にご飯、パンのこだわりはありません。ただし、牛乳はしっかり飲む。朝はコップ2杯くらい。昼も夜も水代わりに飲みます。私1人で紙パック2本を3日で空けるほどです」(和田さん)
一方、夕食は白米を食べずにおかずだけで済ませる。昨今でいう、「糖質制限ダイエット」の先駆けのような方法をかれこれ7~8年続けている。
「ちょっとお腹が出ているので、これを凹ませようとして、白米を控えているのです。日本舞踊の藤間流の名取(名取名・藤間勢波)である家内も、ご飯を食べないときの方が踊るときの身のこなしが軽いといって食べないものだから、2人で控えていたら食べなくなりました。友人たちと外食をするときも、料理は半分ぐらい残すようにしています。戦中派としては、食べ物を残すのはもったいないと思うけれども、今は食べすぎが原因で病気になるケースが多いといわれています。だから、残すことが医療費の削減につながると言い聞かせて残しているんですよ(笑)。炭水化物は減らしていますが、たんぱく質の肉はよく食べます。週に2回は豚肉、あと1回が牛肉で、大根おろしたっぷりのタレでしゃぶしゃぶを食べるといった具合に、消化のことも考えて食べるようにしています」(和田さん)
