「私のスコアメイクの基本は、『ドライバーはフェアウェイをキープする』『2打目以降は無理にパーオンを狙わない』の2つです。グリーンのそばまで飛んでくれるクラブならば、フェアウェイウッドでもユーティリティでもいい。オートマチックに打てる利点を考えるならば、アイアンである必要はないのです。勝負はグリーン周りにきてから。どれだけ『寄せワン』につけられるかでスコアが決まる。だから普段からアプローチを磨くように心がけている、ウェッジのロフトを2~3度刻みに5本入れているのは、そのためですよ」
ちなみに和田さんが公式にカウントしているエージシュート達成は計34回。プライベートラウンドではほぼ2回に1回のペースで達成しているというが、前述した攻め方でラウンドすれば「80台前半で回るのは決して難しくない」と和田さんは言う。
「パーオンできなくてもダボさえ叩かなければ80前後では上がれます。ダボを叩くのはどういうときか? ドライバーを飛ばそうとして振り回したときか、第2打目以降で無理にパーオンを狙ってグリーン手前にあるあごの高いバンカーに入れたりしたときでしょう。つまりできないことを無理にやろうとするから大叩きする。できることをしっかりやっていけば、悪くてもボギーでは上がれるのがゴルフなんです」(和田さん)
ドライバーの飛距離を自慢し、全ホールでドラコンに挑戦しているようなゴルファーには耳の痛い話かもしれない。
「晴山で歩くとお腹の調子がいいんですよ」
和田さんのホームコースは現在4カ所(湯河原CC・神奈川県、梅ノ郷GC・群馬県、佐久平CCと望月CC・ともに長野県)あるが、いま自身でメーンのコースと任じているのは長野県の軽井沢にある晴山ゴルフ場だ。本来がパブリックコースなので、正確に言えばホームコースと称するのはおかしいのだが、年間30ラウンドのうち20ラウンドはこのコースでこなす。
「晴山ゴルフ場がありがたいのは、早朝とか夕方に時間ができたときに1人とか2人でふらっと寄っても気持ちよく回してくれることです。メンバーコースというのは本来、そうあるべきなのでしょうが、日本では自分で3~4人集めて、事前に予約しないと回してくれないことが多い。この歳になると、一緒に回る人を集めるのは大変ですし、事前に予約しても体調次第でどうなるかわからない。だから1人で行っても回してくれる晴山がホームコースみたいになっちゃうんですね」(和田さん)
和田さんが晴山ゴルフ場を好む理由はほかにもある。手引きカートで歩くゴルフ場だからだ。
「最近のゴルフ場は、どこも乗用カートばかりでしょう。コースで歩こうと思っても、それができない。晴山ゴルフ場は乗用カートがないので、嫌でも歩かないといけない。晴山で歩くとお腹の調子がいいんですよ」(和田さん)
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- 「ゴルフは飛距離だけじゃないぞ」