ゴルフを嗜む者であれば、生涯に一度は経験したいことが3つあるとされる。「ホールインワン」「アルバトロス」、そして「エージシュート」だ。偶然などによってもたらされることが多いホールインワンなどとは違い、自分の年齢よりも少ない数字のスコアで回るエージシュートは、真の腕前だとされる勲章の1つ。そして何より、70代、80代、90代…でゴルフができる「元気の証」でもある。ゴルフを始めた経緯も、その人生も様々。現役エージシューターから学ぶ「体のこと」「ゴルフの極意」をお届けする。
座右の銘にしているのは『不良長寿への7つの習慣』
毎朝7時半に起き、朝風呂に入ってヒゲを剃り、朝食のあとは10時から1時間半の練習を欠かさない(前回記事:『 77歳、ゴルフライフを支える「体ケア」』)。それをもうリタイアしてから19年も続けている。話だけ聞くと謹厳実直がゴルフウエアを着ているような印象を与えかねないが、実際に会ってみた金子勝男さん(77歳)は、実にフランクで明るく快活なシニアゴルファーだった。なにしろ座右の銘にしているのが、『不良長寿への7つの習慣』だという。
不良長寿への7つの習慣とは、順天堂大学医学部・免疫学の泰斗・奥村康教授が提唱している長寿の秘訣をまとめたもので、箇条書きにすると次のようになる。
- 1、仲間を大切にする
- 2、異性にときめく
- 3、よく笑う
- 4、夜遊びはしない。
- 5、いつも能天気に構える
- 6、食事はなんでも程よく食べる
- 7、運動は根を詰めずちんたらとやる
金子さんは7カ条を記したコピーを見せながら笑いかける。
「ね。すごくいいでしょう。これが私の理想なんですよ。いかに元気に老後を過ごすか。それには多少ヤンチャなほうがいい。バカ真面目にやっちゃダメよというんですね。仲間を大切にする。これは私の場合、ゴルフ仲間にあたります。ゴルフ場で多士済々のメンバーと仲間になった。ホールインワンをしたとき400人に記念品を配りましてね、こんなに仲間が多かったのかと、改めて自分でも驚いたくらいですが、これは私の最大の財産だと思っています。今は同年輩の仲間がだんだん減って、10歳くらい若い人たちが仲間になっている。若い人たちと競り合うのがまた若さを保つのにいいんですよ」(金子さん)
異性にときめく。これはいうまでもない。
「いや、不倫をしようというんではないですよ(笑)。ちょっと小奇麗にする。おしゃれにするということで“ジジイ臭くしない”という意味なんですね。その次のよく笑うは説明不要でしょう。ポジティブに生きるということです」(金子さん)
夜遊びはしない、という項目もずっと守っている。
「夜は10時半にはベッドに入り、朝7時半まで熟睡します。途中でトイレに起きることもほとんどない。夜が早いのはリタイアしてからずっと変わりません。夜12時過ぎに寝るのと、10時半くらいに寝るのとでは、体の細胞の活性や修復を高める成長ホルモンの出方が違うという話を聞き、以来、早く寝るようにしています」(金子さん)