ゴルフを嗜む者であれば、生涯に一度は経験したいことが3つあるとされる。「ホールインワン」「アルバトロス」、そして「エージシュート」だ。偶然などによってもたらされることが多いホールインワンなどとは違い、自分の年齢よりも少ない数字のスコアで回るエージシュートは、真の腕前だとされる勲章の1つ。そして何より、70代、80代、90代…でゴルフができる「元気の証」でもある。ゴルフを始めた経緯も、その人生も様々。現役エージシューターから学ぶ「体のこと」「ゴルフの極意」をお届けする。
「退職しても自由気ままに暮らさないほうがいい」
去る8月2日、気温37度を超える猛暑日の中をラウンドして45回目のエージシュートを達成した金子勝男さん(77歳)。その1日は、7時半に起床して、そのまま入浴する“朝風呂”からスタートする。
「リタイアを決めて元の職場に退任のあいさつに出向いた際に、本店の役員に2つのアドバイスをいただいたのです」(金子さん)
1つは、40年間サラリーマンをやってきて僕らはそういう体になっているのだから、リタイアしたからといって自由気ままに暮らさないほうがいい。朝起きたらヒゲを剃ってシャキっとして、それから食事をとる。妻や孫の前で髪ボサボサの姿を見せない。
もう1つは、妻が家にいるときは電話に出るな。妻にも友だちがいて、家にかかってくる電話はほとんど妻宛てだから、そこで旦那が出ると相手が恐縮して電話をかけなくなり、妻が窮屈な思いをするようなる。
「なるほどなあと思って、以後、家内がいるときは一切電話に出ないようにした。朝風呂に入ってヒゲを剃る習慣も、そのとき以来、1日も欠かさずに続けています」(金子さん)
朝風呂の後は、サラリーマン時代と同じようにきちんと着替えてから朝食をとる。
「朝食は、私が家庭菜園で収穫した無農薬の野菜たっぷりのサラダとベーコンエッグ、パン、それとヨーグルトを必ず食べます。ヨーグルトは中津川CCのゴルフ仲間で、東大教授でもある向井由汎(よしひろ)さんが開発した『ヨーグルメイト』という製品です。腸内活性菌が通常のヨーグルトの10倍入っているというものです」(金子さん)