71歳のときに初めてエージシュートを達成
「たとえ短いコースであっても、大切なのはしっかり目標を持つことだと思います。そうすることで生活習慣も日常の行動も、あらゆるものが目標に向かっていく。それが、条件が変わっても好結果を引き出せる理由だと思いますね」
ちなみに大久保さんが富谷パブリックで初めてエージシュートを達成したのは71歳のときで、スコアは前半35・後半35の70だった。その2年後、73歳のときに松島国際カントリークラブ(6144ヤード、パー72)で、それほど緊張することもなく前半37・後半36の73を出して本コースにおける初エージシュートを達成。その後も本コースでは通算91回達成している。
ついでに言えば、大久保さんがもう1つのホームコースとしている「グレート仙台」では、73歳、77歳、79歳のとき、3度に渡ってグランドシニアのクラブチャンピオンに輝き、JGA(日本ゴルフ協会)のグランドシニア全国大会にも70歳、71歳、73歳のときの3度、出場を果たしている。
「理想目標」と「達成目標」の2つを設定すること
エージシュート達成を目指していた当時の練習は、週に2回、90分打ち放題の練習場に通って、1回当たり500球打つ。「スウィングは自己流で、ひたすら曲げない打ち方を練習した。といっても練習の80パーセントは100ヤード以内で、10ヤード刻みで打ち分ける練習をよくしました。だから必然的に得意クラブはAW(アプローチウェッジ)です。あとはアイアンの練習が全体の15%。ドライバーはフェアウェイにさえ飛んでくれればいいと考えているので、500球のうち20球くらいしか打たなかったですね」。
大久保さんにエージシュート達成のコツを伺うと、「理想目標」と「達成目標」の2つを設定することにあると教えてくれた。
「理想はとても高く掲げること。しかし、手の届きやすい現実的で身近な数字も掲げる。こうして『達成目標』を果たした喜びを実感しながら、1歩ずつ階段を上って『理想目標』を目指していくのです」
距離が短くてスコアのまとまりやすい富谷パブリックにおいて、大久保さんが何度もエージシュートを達成してつかんだコツは、シニアからでもゴルフが上達できるヒントを示している。エージシュートなんて雲の上の数字で、とても、とても、と思っているゴルファーはぜひ参考にしてほしい。
次回(6月25日公開)は、『ゴルフは「人生の最後に残しておいた楽しみ」』をお届けします。ぜひ、ご覧ください。