「自分は五月病かも」そう思ったときの3つのNG
第2回 会社をどうする? 誰に相談? どう気分転換?
柳本 操=フリーライター
五月病脱出のNG【2】同僚の1人にすべてを相談するのはリスク大

誰かに相談したいと思ったとき、勤務先の専門家に相談するのも一つの方法だ。50人以上の企業であれば、1カ月に1回は産業医や保健師が訪れるルールになっている。このような専門家は五月病をはじめ、メンタルヘルスについても正しい理解をし、適切な助言をくれるはずだ。まずは相談に行ってみよう。「話を聞いてもらうだけでも、気持ちはいくらか軽くなります。本人が望まなければ、話の内容は上司や職場に伝わることはないので、安心して相談してみてください」(大久保さん)。
一方、メンタルレスキュー・インストラクターの下園壮太さんは、職場で同僚などに相談することについて、こうアドバイスする。
「特定の人にいきなり全てを相談するのではなく、第一段階として、『誰に相談すればよいか、ということを相談する』ことにしましょう。なぜなら、同じ職場でも相談にのれる態勢の人もいれば、疲れ果ててとても相談に乗れる状況ではない、という人もいるからです。最初に相談する相手は、自分の相談をさっと受け止めてくれそうな度量のある人を選び、『こういうときは誰に相談すればよいか』と聞いてみること。そういう相談ならこの部署のこの人、というふうに、適切な人材にアクセスするほうが、相談する効果をより高めることができます」(下園さん)
注意したいのが、自分の中でずっと抱え込んできた人ほど、切羽詰まってくると、誰かれ構わず相談する傾向にあること。「こうなると、相談するうちにたまりにたまった思いを吐き出すように誰かを攻撃したり、愚痴をぶちまけるなど、冷静さを失ってしまうことがあります。しかも相談相手が噂好きのスピーカーである場合、あっという間に噂を広められたり、配置換えや退職など、おおごとになってしまうこともあるので気をつけましょう」(下園さん)。
五月病脱出のNG【3】“はしゃぎ系”ストレス発散は逆効果
五月病の悪循環に陥る前に、自分で状況を抜け出す方法がある。大久保さんのお勧めは、親しい友人に会って、愚痴を吐き出すこと。「特に学生時代の友人だと、境遇が同じだったりする可能性が高く、『あいつも同じなんだ』とわかると気持ちがラクになります」(大久保さん)。
一方、「気分が落ちてきてイライラしたり、仕事を辞めたくなったときに、カラオケに行く、オールナイトで飲み明かす、遊園地で遊ぶ、旅行に行くなど、エネルギーを使うストレス対処法は避けた方が良いでしょう」と、下園さんは注意する。「こういった、一時的に気分をあげるための“はしゃぎ系ストレス発散法”を行うと、もともと疲れている人はさらに疲労が増し、休み明けの出社がさらに辛くなるからです」(下園さん)。
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