日経グッデイ

話題の「機能性表示食品」ってなに?

機能性表示食品って本当に安全なの?

第3回 選択と利用は消費者の自己責任

 村山真由美、川崎敦子=フリーエディター・ライター

この4月に新たに登場した「機能性表示食品」の素朴な疑問シリーズ。今回は安全性と消費者の自己責任について解説する。

(第1回「機能性表示食品の登場であなたの買い物かごの中身が変わるかも」はこちら、第2回「トクホよりも表現自由度が高い機能性表示食品」はこちら

Q7 どんなふうに安全性が確保されるの?

 機能性表示食品の安全性は、企業が自らの責任で評価する。評価の方法には3つあり、

  1. 今までに食べられていたかどうかの食経験
  2. 食経験に関する情報が不十分な場合、既存情報による安全性の評価
  3. それでも不十分な場合は、動物や人を使った安全性試験の実施

のいずれかによって行われる。

 たとえば、既に届け出がなされている「ナイスリムエッセンス ラクトフェリン」については、下記のような形で安全性を評価している(PDFはこちらで閲覧可能)

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 また、すべての食品について、医薬品と機能性関与成分との相互作用(同時に体に入ることで、互いの作用が増強したり減弱したりしないかどうか)の評価を行うことが必要となる。機能性関与成分が複数にわたる場合は、機能性関与成分同士の相互作用についても評価しなければならない(下表参照)。

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 機能性表示食品は、医療品とは異なり、誰でも利用できるため、万一健康被害が生じた場合、急速に被害が広がるおそれがある。そのため、企業は健康被害の情報を入手したら、不十分な情報であっても速やかに消費者庁及び保健所に報告することとされている。

Q8 実際に流通して消費者が購入できるようになるのはいつごろ?

 制度自体は2015年4月1日にすでに始まっている。4月16日現在で104件が消費者庁に届け出済みだ。販売可能になるのは、届出から60日後になるため、「機能性表示食品」と書かれた食品が店頭に並ぶのは、早いものでも6月頃になるとみられる。

 機能性表示食品が市場に流通し始めると、ドラッグストアやスーパーなどで、「疲労」「ストレス」「肥満」などの悩み別、あるいは「目」「皮膚」「肩」などの部位別に機能性表示食品を並べた棚が増えてくると予想される。

Q9 利用の際に気をつけたいことは?

なにより大切なのはバランスのとれた食生活(©Luca Bertolli -123rf)

 注意したいのは、表示された「機能性」だけを見て「◯◯を飲むだけで血糖値が下がる」「△△さえ食べれば太らない」などと勘違いすることだ。また、機能性表示食品は、薬ではない。病気の人を対象としていないので、治療目的に摂取することはNGだ。過剰な摂取、偏った摂取が健康に害を及ぼす場合もある。

 パッケージの表示スペースには限りがあるため、企業が届け出た情報の詳細は消費者庁のウェブサイトで公開されている。しかし、機能性を判断する「科学的根拠(エビデンス)」のレベルはさまざまで、一般の消費者が読み解くのは非常に難しい。それでも、機能性表示食品の選択と利用は消費者の自己責任に委ねられている。

 では、どうすればいいのか?

 最も重要なのは、リスクを避ける上でも、「過剰な摂取、偏った摂取」はしないということだ。そもそも健康を保つには、主食、主菜、副菜を基本とした、バランスのとれた食生活が重要になる。さらに、運動や睡眠などの正しい生活習慣も忘れてはならない。

 正しい生活習慣の下、機能性表示食品のメリット、デメリットを知り、自分に必要なものかどうかの吟味を経て、過度に依存しない範囲で利用するべきだろう。

■参考資料
消費者庁「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」
消費者庁「消費者の皆様へ『機能性表示食品』って何?」
日経BP社「日経ヘルス」2015年5月号
日経BP社「日経TRENDY」2015年5月号
日本経済新聞 2015年3月31日、4月2日、4月7日、4月17日付報道