トクホよりも表現自由度が高い機能性表示食品
第2回 どんな食品で、どんな表示が可能になるの?
村山真由美、川崎敦子=フリーエディター・ライター
パッケージには機能性表示食品であることや届出番号、機能性の内容、1日の摂取量や摂取方法などが表示される。
表示のコピーをよくみると、どのような科学的根拠をもとにした食品かがわかる。
- 「最終製品を用いた臨床試験」により科学的根拠が示されている場合 →「〇〇の機能があります」のように表示される。
- 「研究レビュー」により科学的根拠が示されている場合 →「〇〇の機能があると報告されています」のように表示される。
「最終製品を用いた臨床試験」とは、機能性関与成分を含んだ製品を実際に食べて効果をみる試験だ。一方、「研究レビュー」とは、企業が直接臨床試験を行わなくてもいい方法で、「最終製品を用いた臨床試験」もしくは、機能性関与成分に関する既存の論文を集めて分析し、機能性があるかどうかを総合的に判断するものだ。
このように、機能性の科学的根拠を示す手法によって表現を変えることが基本とされている。
Q5 機能性表示の対象になりそうな成分にはどんなものがある?
表示できるのは、効能をもつ成分物質が検出でき、その成分の量が確認できて、効果を発揮する仕組みが明確な成分だ。成分を特定できないものはもちろん表示できない。
食事摂取基準に定められた栄養素は表示できないが、タンパク質、n-6系脂肪酸、n-3系脂肪酸、食物繊維、ビタミンAの5つの栄養素に含まれる成分の中に、機能性関与成分として表示の対象となりうるものがある。たとえば、アミノ酸やペプチド、α-リノレン酸、EPA、DHA、難消化デキストリンなどがそうだ。
4月1日以降に届け出があった食品のリストが、消費者庁ホームページで公開され始めている。そのなかから、機能性関与成分と、表示しようとする機能性の一部を紹介しよう。
- ラクトフェリン:内臓脂肪を減らすのを助け、高めのBMIの改善に役立つ
- 難消化デキストリン:食後の血中中性脂肪や血糖値の上昇をおだやかにする
- ヒアルロン酸Na:肌の潤いに役立つ
- モノグルコシルヘスペリジン:中性脂肪が高めの方の健康に役立つ
- キトグルカン(エノキタケ抽出物):体脂肪を減少させる
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