トクホよりも表現自由度が高い機能性表示食品
第2回 どんな食品で、どんな表示が可能になるの?
村山真由美、川崎敦子=フリーエディター・ライター
この4月に新たに登場した「機能性表示食品」の素朴な疑問を、Q&A形式で簡潔に紹介する本特集。第1回に引き続き、第2回は、実際に機能性表示食品が市場に出回り始めた際に、どんな表示がされるのかを具体的に見ていこう。
Q4 機能性表示食品は具体的にはどういう表示になるの?
栄養機能食品は、体への栄養機能がすでに明らかになっている成分(ビタミン、ミネラルなど)を含む食品なので、どこにどのような働きがあるかを表示することができるが、トクホの場合、体の部位を表示することは原則として認められていなかった。 しかし、機能性表示食品では体の部位に言及することができる。
また、トクホではその食品を食べた人に有効性があったかどうかの客観的な評価(血液検査のデータなど)がなければ審査を受けることができなかったが、機能性表示食品では、食べた人の主観的な評価をスコア化した研究結果も科学的根拠として認められる。そのため、「疲れ」「睡眠」「ストレス」などに関する表示も出てくるものと考えられる。
- カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素です
- ナイアシンは皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です
- 糖の吸収を穏やかにするので、血糖が気になる人に適する。
- 体脂肪を消費しやすくする。
- 健全な骨の健康を維持し、歳をとってからの骨粗鬆症のリスクを低減するかもしれない。
- ストレスをやわらげると期待できる◯◯が含まれる。
- 目の疲れをやわらげる◯◯が含まれる食品です。
- 睡眠をサポートするという報告がある◯◯が含まれています。
- 肌の水分量維持に役立つ◯◯を使った食品です。
保健機能食品の表示の例
栄養機能食品
特定保健用食品(トクホ)
機能性表示食品
トクホよりも自由に機能性を表示できる機能性表示食品だが、表示の対象になる成分や機能性の表示の仕方には、それぞれ決まりがある(Q5、Q6参照)。また、機能性表示食品は薬ではないので、治療効果や予防効果があるかのような表現や、肉体改造、増毛、美白といった言葉を表示することは禁じられている。
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