機能性表示食品の登場であなたの買い物かごの中身が変わるかも
第1回 トクホもあるのに機能性表示食品が生まれたワケ
村山真由美、川崎敦子=フリーエディター・ライター
この4月に、「機能性表示食品」という新しい食品ジャンルが誕生したことをご存じだろうか。6月ごろに市場に出回ると見られている、この「機能性表示食品」(従来の食品に機能性表示が追加されたものを含む)。トクホやサプリメントどはどう違うの? 具体的にどんな表示がされるの? 安全性は大丈夫?―など、素朴な疑問を3回に分けてQ&A形式で紹介しよう。
Q1 食品の機能性表示制度ってなに?

「明日の活力アップに」「サラサラな毎日のために」「からだスッキリ」―。いわゆる健康食品やサプリメントを買おうとして、パッケージの曖昧な表現に戸惑ったことはないだろうか。
これにはわけがある。これまでの法律では、医薬品と食品は厳密に分けられていて、「医薬品には機能性があるが、食品には機能性はない」と定められていた。そのため、食品に分類される健康食品類には、「〇〇に効く」「〇〇を改善する」といった機能性を表示することが禁じられていた(Q2で紹介する栄養機能食品、特定保健用食品を除く)。そのため、健康に寄与するさまざまな機能をほのめかすようなキャッチコピーしかつけられなかったというわけだ。
しかし、消費者の認識では、健康食品やサプリメントは「医薬品と食品の中間」のような存在だ。消費者からは「健康に役立てるために、もっとわかりやすい表示にしてほしい」というニーズがあり、企業からは「よい商品なのに消費者にきちんと伝えられない」というジレンマがあった。折しも、近年、健康志向の人が増加していて、サプリメントなどの利用者は増え続けている。
そこで、実態に合わせて、機能性をわかりやすく表示した商品を増やし、消費者の商品選択をサポートしよう、という観点からこの制度がスタートした。新制度ではより具体的な表示ができるようになっている。
