日経グッデイ

バドミントンを楽しく学んでうまくなる! 小椋久美子の基本レッスン

ハイバックの基本レッスン

第11回 リストを立ててラケット面にシャトルを「パチッ」と当てる

 バドミントン・マガジン(ベースボール・マガジン社)

単複ともにラリーのなかで打つ機会が多いハイバック。バックハンドに自信がない人は、打点が高いため、難しいイメージを持つかもしれませんが、基本さえしっかり押さえておけば安定して打つことができますよ!

基本をチェック! シャトルの下に入り、肩→ヒジの順に始動

 ハイバックを打つときに一番ありがちなミスは、遠くに飛ばそうとして力みすぎてしまうこと。グリップをガチガチに握り込んだり、必要以上に足に力が入ると肝心のインパクト時に力が入らず、飛距離は生まれません。スイング開始まではリラックスしてシャトルの下に入り、打つ瞬間に腹筋に力を込めましょう。また、ラケットを振り出す前は肩を内側に絞ることも意識してください。

[画像のクリックで拡大表示]

 カカトから踏み込んで体幹がブレないようにしながら、肩→ヒジの順にスイングを始動。インパクト時にはリストをしっかり立てて、ラケット面にシャトルを「パチッ」と当てるイメージでスイングしましょう。ヒジ先からのしなりを意識すると、スイングスピードも速くなります。

[画像のクリックで拡大表示]
《オグPOINT!》
踏み込みの力を上半身につなげる

 ハイバックは一般的に、相手に背中を向けた状態で打ちます。ここで意識したいのは、シャトルの落下地点に素早く入り、足の踏み込みの力を利用して打つこと。

 踏み込みが甘いまま上半身や腕の力だけで打ちにいくと、体がすぐに開いてしまいます(インパクト時に体半分が相手に向いた状態)。踏み込んだ後の上半身は「沈み込みすぎない、反りすぎない」、そして「開きすぎない」ことが大切。

 打点やパワーを意識する前に、まずは、もっともスムーズにスイングできる上半身の形を見つけ出し、何度も同じフォームでラケットを振れるようにしましょう。

おすすめ練習メニュー

 基本フォームを覚えたら、実際にハイバックで打ってみましょう。最初は飛距離を求めずに、タイミングを重視してインパクトしてください。

Practice 1: インパクトの感覚を養う

練習方法

 練習者はコートの中央付近にノック球を上げてもらい、すべてハイバックで打っていく。飛距離を出すことではなく、シャトルをラケット面で確実にとらえる感覚や、スムーズにスイングできるフォームを見つけ出すことが目的。

MEMO
  • ラケット面にシャトルを当てるタイミングや体重の乗せ方を意識する
  • インパクトの強さやフォームによって、どのくらいシャトルが飛ぶかを確認
  • 感覚をつかんだら、打つ位置を少しずつ後方に下げていく
[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]

Practice 2: ハイバックからの打ち分け

練習方法

 練習者はノッカーが出したノック球に対し、ホームポジション(コート中央)から動き出してストレートにクリアーやカット、ドロップを打ち分ける。慣れてきたら、クロスのコースも織り交ぜてねらっていく。

MEMO
  • つねに同じフォームで打つことを心がける
  • 打ち終わった後は素早く正面を向いてホームポジションに戻る
  • 入るようになったら、カットなど鋭い球も打っていく
[画像のクリックで拡大表示]

レベルアップ練習

 ハイバックのクリアーは中・上級者にとっても簡単ではありませんが、誰もが試合で使うショットです。きっちりと打ち返せるように普段の練習からチャレンジしてみましょう。

Case: さまざまな状況を想定してハイバックを打つ

練習方法

 練習者はノッカーが出したバック奥へのノック球に対し、早い動き出しから高い打点で打ったり、動き出すタイミングをあえて遅らせて追い込まれた状況をつくるなど、さまざまな状況を想定してハイバックを打つ。

[画像のクリックで拡大表示]
ケース・バイ・ケース
 「積極的にクリアーを打ち、飛距離を伸ばすコツをつかむ」

 ハイバックのフォームが固まってきたら、実戦を意識しながら体を動かして打ちましょう。

 クリアーを打つ場合はコートの奥まで返すのが理想ですが、腕力のある男性ならともかく、女性やジュニアはなかなか飛距離が出ません。だからといって、簡単にドロップやカットを打ってしまうと、相手に読まれてネット前で叩かれてしまいます。

 コート奥までクリアーを打つのは難しくても、コートの半分であれば返球できるという人もいるはず。「飛ばないから打たない」のではなく、反復練習やゲーム練習などで積極的にクリアーを打ちながら飛距離を伸ばすコツをつかんでいきましょう。

 試合中にハイバックのクリアーがコートの半分以上を越えれば、対戦相手は「この人はハイバ ックからでもクリアーを打ってくる」と思い、クリアーを警戒してネット前に出にくくなるはずです。

Off Court Column
夏はコンディション調整も大事なポイント
四天王寺高時代の小椋 選手。インターハイでは 高校2年時にダブルスで 準優勝

 高校生にとって最大の目標であるインターハイが始まります。出場する選手のなかには、最後の大会になる人もいると思います。悔いを残さないように、精いっぱい頑張ってください。

 インターハイと聞いて思い出すのは、やはり過酷な夏の暑さです。私が高校生のころは救急車が何度も会場に来るくらい、熱中症や脱水症状などになる選手がたくさんいました。私も当時は水分を摂るタイミングや量がわからず、スポーツドリンクを飲みすぎてお腹を下したり、逆に我慢しすぎて脱水症状になったりと、苦労しました。

 夏はコンディション調整も勝つうえで大事なポイントですから、水分補給だけではなく、バナナや栄養補助食品など固形物をうまくエネルギーに変える摂取タイミングなども覚えておくといいでしょう。

 また、汗をかきやすい私にとっては、塩も大切なアイテムでした。塩分と合わせて、集中力を持続させる糖分(チョコレートなど)を摂り、ベストコンディションで試合に臨んでください!

(写真:BBM、取材・文:佐々木和紀、協力:三上亜希[旧姓・赤尾])

小椋久美子(おぐら くみこ)さん
小椋久美子(おぐら くみこ)さん バドミントン元五輪代表。スポーツインストラクター。四天王寺高を卒業後、三洋電機に入社し、02年全日本総合シングルス優勝。その後は潮田玲子とのペアで全日本総合5連覇、07年世界選手権銅メダル、08年北京五輪8強などの好成績を残した。10年に現役を引退。現在はジュニアを中心としたバドミントンの普及活動を行なっている。
>> 小椋久美子オフィシャルサイト
本レッスンが1冊になって好評発売中!
『B.B.MOOK1198 バドミントン 小椋久美子のレベルアップNAVI』
B5判・108ページ、1148円+税 発行/ベースボール・マガジン社

 日経Goodayのサイトでご紹介している「小椋久美子の基本レッスン」が、1冊のMOOK『バドミントン 小椋久美子のレベルアップNAVI』になって好評発売中です。

 サイトでご紹介している基本レッスンに加え、「シングルスの攻撃」「ダブルスの守備」といった実戦的なテーマについても、そのポイントや練習法を詳しく取り上げています。

 さらに、「心」や「体」にもスポットを当てたコーナーを新たに設けるなど、内容もボリュームアップ。全国の書店、またはベースボール・マガジン社サイトでお買いお求めください。

こちらからでもご購入いただけます
ベースボール・マガジン社 商品検索&販売サイト


この記事は、ベースボール・マガジン社「バドミントン・マガジン」からの転載です。