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バドミントンを楽しく学んでうまくなる! 小椋久美子の基本レッスン

ヘアピンの基本レッスン

第7回 頭を下げず、胸を張ることを心がける

 バドミントン・マガジン(ベースボール・マガジン社)

『ネット前を制する者が試合を制す』という言葉があるように、バドミントンではネット前でのパフォーマンスの成否が各ポイント、そして勝敗そのものに影響するといっても過言ではありません。今回は、そのなかでとくに大切なヘアピンの打ち方の基本と練習法をご紹介しましょう!

基本をチェック! 体の使い方を意識しよう!

 ヘアピンは指先の感覚も大事ですが、まず意識してほしいのは体の使い方です。シャトルの下に入っていくときは頭を下げず、胸を張ることを心がけましょう。下半身はヒザのクッションを使い、足の力を手に伝えるイメージ。そうすると、力の調整がしやすくなります。また、右利きの場合は左手を後ろに伸ばすことで体のバランスが保たれるので上半身の形も意識してください。

横から

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斜め前から

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《オグPOINT!》
高い打点をつねに意識しよう!

 ヘアピンは高い打点で打つのが理想です。打点が高ければ、相手はネットより下で打つことが多くなり、より有利にラリーを進めることができます。

 そのためには、シャトルの下に入る前にラケットをできるだけ高くキープし(下げない)、フットワークを使って素早く動くこと。

 また、足を踏み込む前にインパクトすると手打ちになって力のコントロールができないので、踏み込みと同時にインパクトするか、シャトルの落下点で踏み込んでからとらえるようにしましょう。

おすすめ練習メニュー

 素早い動きのなかでも体勢を崩されずに打つことを意識して取り組みましょう!

Practice 1: 左右のヘアピン練習

練習方法

 左右に動いても、よい体勢を保って質の高いヘアピンを打つための練習。コート中央から手投げされたノック球を、左右に動いて高い打点からストレートに打つ。

MEMO
  • 最初は高い打点からストレートに落とす。
  • 頭を下げず、フォームを意識する。
  • 打った後は素早くセンターに戻り、次の球を待つ。
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Practice 2: ドロップorカット⇒クロスヘアピンのパターン練習

練習方法

 ドロップやカットを打った後、素早く前に詰めてパートナーのヘアピンをクロスヘアピン。逆サイドでヘアピンを打ち合い、パートナーが上げたロブに対して、ふたたびドロップやカットを打つ。

MEMO
  • ドロップやカットの後のヘアピンは、体の勢いをしっかり止めて打つ。
  • ミスをしないように、長くつなげる意識で練習する。
  • 高い打点やフォームなど、基本を確認しながら打ち合う。
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レベルアップ練習

 ラリーの主導権を握るうえで、相手の体勢やヘアピンの球質から次の球を予測することはとても大切。チャンスをより確実にものにするために、判断力を養いましょう!

Case: 質の高いヘアピンを打った後の状況を考える

練習方法

 パートナーが打ったクロスドロップやカットに対し、高い打点でヘアピンを打つ。パートナーの打つ体勢から次の球を予測し、ロブが上がってきたら積極的に攻撃していく(パートナーはヘアピンを打ってもOK)。

ケース・バイ・ケース 1

 自分が打ったヘアピンの質や、相手がロブを打つときの体勢などから、次にどのような球が来るのかを想定して動く練習。仮に、相手のドロップを高い打点で短くネット前に落とした場合は、相手は足を大きく伸ばして苦しい体勢で打つことになります(写真下)。このとき練習者は、ヘアピン後に何を見て意識するのかにより、次のプレーへの反応速度も変わってきます。

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ケース・バイ・ケース 2

 自分のヘアピンの質が高く、相手の動きが遅ければ、次の球が甘いロブやヘアピンになる可能性が高くなり、スマッシュやプッシュなどで攻撃できます。逆にヘアピンの質が高くても、相手が素早い動きで対応してきたら、それに応じた準備をしなければなりません。

 ヘアピンを打った時点で次の予測をし、さらに相手の体勢を確認して総合的な判断ができるようにしておくと、ラリーの主導権をより確実に握ることができます。

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Off Court Column ダブルスとシングルスではヘアピンの質が異なる

 私はヘアピンが決して得意ではありませんでしたが、ダブルスだとスピンを打つなどの技術的なことよりも、速いタッチで浮かせないことが最優先なので、なんとか世界でも通用していました。

 でも、海外の選手はヘアピンがうまくて、とくにインドネシア選手などは試合中でもネットインをねらってきますし、つねにラケットを立ててシャトルの下に入って攻撃してきました。これは案外こわくて、相手はネットの白帯より下で打っているにもかかわらず、こちらが攻撃されているような印象を受けるんです。ラリーの主導権を握っているはずなのに、ラケットの構え方で足を止められたりすることもありました。

 ダブルスのネットは、いわば陣取り合戦のようなもので、いかにヘアピンを浮かさずに素早くポジションを奪うかが勝負のカギになります。とくに男子ダブルスは「ネット前を制する者が試合を制す」といわれていますから、スマッシュやドライブなどのスピード戦だけではなく、ネットに入る判断力とタッチの速さが求められます。逆にシングルスは、スピードはゆっくりでも駆け引きの勝負。相手にネットから下で打たせるために、スピンやフェイントなどの技術がより必要になります。

 今回のテーマはヘアピンでしたが、ダブルスとシングルスではヘアピンの質が異なることを覚えておきましょう。ヘアピンが苦手でも“ダブルスのネット前なら強さを発揮できる”という人もいるかもしれませんよ。

(写真:BBM、取材・文:佐々木和紀、協力:三上亜希[旧姓・赤尾])

小椋久美子(おぐら くみこ)さん
小椋久美子(おぐら くみこ)さん バドミントン元五輪代表。スポーツインストラクター。四天王寺高を卒業後、三洋電機に入社し、02年全日本総合シングルス優勝。その後は潮田玲子とのペアで全日本総合5連覇、07年世界選手権銅メダル、08年北京五輪8強などの好成績を残した。10年に現役を引退。現在はジュニアを中心としたバドミントンの普及活動を行なっている。
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この記事は、ベースボール・マガジン社「バドミントン・マガジン」からの転載です。