日経グッデイ

バドミントンを楽しく学んでうまくなる! 小椋久美子の基本レッスン

ドロップ&カットの基本レッスン

第2回 効果的に決めるための「ラリーでのスピード」の考え方

 バドミントン・マガジン(ベースボール・マガジン社)

前回は、「練習に対する考え方」についてお話ししました。今回からは各ショットの基本ポイントやおすすめの練習方法などを紹介していきます。テーマはドロップとカットです。ぜひ参考にしてください。

ドロップ&カットの基本をチェック!

ドロップ~スマッシュやクリアーに組み合わせ、スピードに緩急をつける

 ドロップは相手を前に動かすために必要なショット。球のスピードは速くありませんが、スマッシュやクリアーと組み合わせることで、ラリーにスピードの緩急を生み出すことができます。

 シングルスでは決め球になることもありますが、ダブルスでは相手の態勢を崩すための球、またはつなぎの球としてよく使われます。

 とくに攻撃で使うドロップは、スマッシュやクリアーと同じフォームで打つと相手の足を止めるフェイント効果があるので、基本練習のときからフォームを意識しましょう。

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カット(リバースカット)~ラリー中の「スピード」と「長さ」に変化が生まれる

 カットはドロップに比べてスピードやキレがあり、シャトルも浮かず鋭角にコートに入ってきます。球足が長いので相手を大きく動かす球ではありませんが、カットを打つことでラリー中の「スピード」と「長さ」に変化が生まれます。

 とくにダブルスでは、スマッシュとドロップにカットが加わると、レシーブ側は“守備のリズム”を微妙に乱され、後々のレシーブミスにつながります。

 また、スマッシュで相手が後ろに下がったときなどにカットを打つと、甘い返球が来ることも多いものです。

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≪オグPOINT!≫ 素早いフットワークと打点の意識

 効果的なドロップとカットを打つためのポイントは、打点とフォームです。自分にとって一番打ちやすく、より高い打点でシャトルを当てることができれば、ショットの角度やコントロールが安定します。

 逆に、体がブレてフォームが崩れたり、打点が低くなったりするとショットが不安定になり、単純なミスが増えます。より高い打点、そしてフォームを安定させるために、まずはシャトルの下にいち早く入ることを意識しましょう。

 ドロップ&カットとフットワークを別々に考えるのではありません。よいショットを打つために、まずはフットワークを素早くすることが大切なのです。

おすすめ練習メニュー

 試合でドロップとカットを有効打にするための基本練習を紹介!

Practice 1: 動きながらドロップ&カット

練習方法

 ホームポジションからフォア側、ラウンド側に動いてドロップ&カットを打ち、ふたたび ホームに戻る。コースはストレートとクロスの2点をねらう。

MEMO
  • フットワークが入ると体がブレてしまうので、体が崩れないように体幹を意識して各ショットを打つ。
  • 最初は体の安定を重視してストローク。入るようになったらコントロールを重視する。
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Practice 2:ヘアピン後のドロップ&カット

練習方法

 ヘアピン後、パートナーに高いロブで返球してもらう。練習者はすぐに後ろへ下がり、シャトルを体の前でとらえてドロップ&カットを打つ。これを繰り返す。

MEMO
  • シングルスで質のよいヘアピンを打ったと仮定。攻撃の意識でドロップやカットを打つ。
  • ヘアピン後、パートナーが次のロブを打つ前に次の体勢を素早く作る。
  • ロブを打たれてからの速い動き出しを意識する。
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レベルアップ練習

 中・上級者になると相手のタイミングやリズムを崩すための練習が必要。ステップやスイングに変化をつける練習に取り組もう!

Case 1: 低いロブやドリブンクリアーへの対応

練習方法

 パートナーにアタックロブやドリブンクリアーを打ってもらい、速いフットワークや速いタッチのドロップ&カットを打つ。

ケース・バイ・ケース

 ハイクリアーに対するドロップ練習だけではなく、低い軌道のロブやドリブンクリアーも想定します。とくにシングルスでは、いつも同じタイミングで打つと、相手にショットやコースを読まれるので、スピードに変化をつけることを意識しましよう。動き出しから細かく速いステップ、速いタッチを重視したドロップやカットを打ちます。また、ハイクリアーに対してわざとタイミングを遅らせて反応し、そこから素早いフットワークで打つ練習も取り入れましょう。

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Case 2: 同じフォームからの打ち分け

練習方法

 スマッシュを打つと見せかけてドロップを打つ。クリアーなどを織り交ぜて、パートナーに読ませないように工夫をする。

ケース・バイ・ケース

 私の現役時代、ダブルスの試合中に相手の足を止めようと思って使っていたのが、スマッシュを打つと見せかけたドロップです。相手が完全にレシーブ態勢のときこそ効果が生まれ、さらに警戒して後ろに下がったときをねらっていました。大切なポイントは、打つ瞬間に“力を止める”感覚。力を抜くのではなく、力を止める意識を持つことで、最後までスマッシュの勢いを保ったままスイングすることができます。打つ瞬間に力を止めてもスイングは続いているので、浮かないようにコントロールすることを忘れないでください。

ドロップ
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スマッシュ
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(写真:BBM、取材・文:佐々木和紀)

小椋久美子(おぐら くみこ)さん
小椋久美子(おぐら くみこ)さん バドミントン元五輪代表。スポーツインストラクター。四天王寺高を卒業後、三洋電機に入社し、02年全日本総合シングルス優勝。その後は潮田玲子とのペアで全日本総合5連覇、07年世界選手権銅メダル、08年北京五輪8強などの好成績を残した。10年に現役を引退。現在はジュニアを中心としたバドミントンの普及活動を行なっている。
この記事は、ベースボール・マガジン社「バドミントン・マガジン」からの転載です。