ランニングで「走れる体」に変える食事術
第8回 読者ランナーの悩みに、アディダスランニングアドバイザーが回答
レース1週間前から炭水化物を増やす
安喰コーチによれば、ランニングに特化した食事というものはなく、食事はバランスよく摂って栄養の偏りを避け、普段から食べ過ぎを避けることが基本のようです。次に、読者ランナーたちからよく聞かれた質問の1つは、大会前の食事術について。特に42.195㎞の長丁場を乗り切るために必要な、食事でのスタミナのつけ方や大会直前の食事法などには、とても関心が高いようです。
Q.2 レース前のコンディショニング食事術

レースの1週間前からは、どんな食事にすればいいのでしょうか?
(田中吾津子さん 47歳 ランニング歴:8年)

「カーボ・ローディング」のつもりで、レース前日は力うどんを食べますが、正しいのでしょうか?
(白川育男さん 50歳 ランニング歴:5カ月)
A.2
出場する大会の距離やランナーのレベルによっても調整方法は違いますが、今回は「フルマラソンを5時間台で完走する」という前提でお答えします。
通常、フルマラソンを走るときには、レース本番の3週間前から練習では負荷を落としていきます。この時、「いつもと同じように食べていたら太るのでは」と心配して食事量も減らす人がいますが、その必要はありません。むしろ炭水化物に含まれる糖質は体内に蓄積されて、走るときのエネルギーになるので減らさないでください。ちなみに、一定の期間、炭水化物を完全に排除してから、レース直前に炭水化物を一気に摂取して体に糖質を取り込む「カーボ・ローディング」という食事方法がありますが、これは食事と体調の管理がかなり大変なので、アスリートランナーではない限りお勧めしません。
田中吾妻子さんの質問にあった「レースの1週間前からの食事」については、走る時のエネルギー源にはならないたんぱく質は少しずつ減らし、その代わりに糖の代謝に必要なビタミンやミネラルを補給できる野菜類などを増やしていきましょう。合わせて、炭水化物も増やしていきます。大会1週間前からは、1日3回の食事のほかに、間食におにぎりを食べるなどして、こまめに糖質を取ると体への取り込みが高められます
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- 油っこい料理や生ものを避けること