前回の「ほぐし編」で体の前面がほぐれ出したら、次に体の背面にある筋肉を“裏トレ”で鍛えていこう。腹をへこませるには、体の前面にある筋肉を直接鍛えるより、腹のへこみを背中から支える筋肉をつけることが大切。背中の力を高めれば、姿勢も真っすぐに整ってくる。
体の前面の腹筋を鍛えるだけでは腹はへこまない
「腹筋を鍛えれば、腹はへこむ」というのは、もはや古い考え。特に、上体を腰から曲げ伸ばしするおなじみの腹筋運動は、体を丸める働きの「腹直筋(ふくちょくきん)」を鍛えるだけで、この筋肉は日常生活の動きではあまり必要ない。腹をへこませるには、「胸郭や股関節の動きに連動させたエクササイズで、『腹横筋』の下部を鍛えるのが基本」(広島国際大学の蒲田和芳准教授)なのだ。
そこで、胸郭と股関節を大きく動かしながら、体の背面を鍛える“裏トレ”を加えていこう。
ここでは4つのメソッドを使い、「大殿筋」「広背筋(こうはいきん)」「下後鋸筋(かこうきょきん)」「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」という背面にある大きな筋肉を鍛え、メタボ腹の解消に欠かせない腹横筋にもアプローチする。「どのエクササイズも、できるだけゆっくり動かして反復することが大切」(蒲田准教授)。ちなみに、腹横筋にはお腹を引き締める“コルセット”の役割がある。
腹をへこませるには、前回もご紹介した(「メタボ腹解消の新ルール! 体の前面は『緩める』、後ろは『締める』 」)ように、体の前面を「緩める」ことに加えて、背面を「締める」といった相互の動きが不可欠。すべてのメソッドに慣れ始めたら、若かりし頃の“ムダ肉”のない腹が復活しつつある証拠だ。
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