おなかの張り・ガス、抑えたい 糖質の種類で改善も
8時間絶食、腸内を掃除 ゴロゴロ寝で放出
日本経済新聞電子版
ガスがたまるとおなかがパンパンに張ったり、おならが増えたりしてつらい。早食いしないなど行動改善のほか、食事内容を考えるのも大事だ。
最近注目されているのが、ガスや腹痛、下痢などの原因になる特定の糖質を控える「低FODMAP(フォドマップ)食」だ。FODMAPという言葉は「発酵性のオリゴ糖」「二糖類」「単糖類」「ポリオール類」という糖質の種類を表す。
例えば発酵性のオリゴ糖を含む小麦やタマネギ、豆類、二糖類の乳糖が多い牛乳やヨーグルトなどを控えるというもので、オーストラリアのモナッシュ大学等が提唱した食事法だ。
発酵食品や食物繊維、オリゴ糖などは腸に良い食品の代表格。それでも「人によっては良い面ばかりではない」と話すのは、この食事法をいち早く取り入れた江田クリニック(栃木県栃木市)の江田証院長。これらの糖質は小腸で吸収されにくく、小腸内で糖質の濃度が上がると、薄めようと水分が小腸内に引き込まれる。するとおなかがゴロゴロしたり、痛みや下痢が起こったりする。
さらに糖質が大腸まで運ばれると腸内細菌のエサになり、多量の水素ガスが発生して、おなかの張りやおならが増える。「症状の強さは、個人の腸内細菌の種類や腸の伸びやすさなどの体質で決まる」と江田院長。
1品ずつ見極め
ガスが気になる人は「まずは3週間、これらの糖質が多い食品を控えると症状が改善される可能性が高い」(江田院長)。その後は食品を1品ずつ試し、どれを取ると症状が出るか見極める。自分に合わない食品がわかれば、それだけを避ける。「過敏性腸症候群の患者が対象の試験では、7割の人がこの食事法で症状が大きく改善したと国際的な医学論文で報告されている」(江田院長)
ガスの発生を抑えるには一定の絶食時間も重要。「少量でも頻繁に食べていると腸内に食物が残り、細菌が分解しようと働く」と瓜田教授。特に夜は睡眠も含め、8時間程度の絶食時間を確保しよう。腸内が空になると、おなかがグーと鳴る大蠕動(ぜんどう)が起き、大掃除されるからだ。
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- 腸内細菌増殖、呼気から分かる