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トピックス from 日経電子版

胎児の健康チェック、素早く正確に 心電図や超音波で

 日本経済新聞電子版

 妊婦健診などでも当たり前の観察技術となっている超音波(エコー)も進化を遂げ、胎児のより詳しい診断に活用が進む。

 1986年に初めて胎児の3Dエコー装置を開発した埼玉医科大学の馬場一憲教授は、「(改良が進んだ最新の)高精度なタイプでは妊娠3カ月の胎児の目鼻立ちもわかるほど正確な画像がとれる。外見上の体に異常があれば発見できることも増えた」と性能の高さを説明する。

 キヤノンメディカルシステムズが開発した胎児観察用の3D超音波装置は、胎児の栄養状態に関わる母親の胎盤内の血管を精度よく見られる。動画である4D機能を使えば、手足の動きなども正確にチェックできる。「体の形態に特徴がでる病気では早期に把握できる可能性も高くなった」(馬場教授)

 従来の2Dエコーと併せて使えば、心臓につながる動脈と静脈が逆に配置されてしまう血管転位症や、臍帯(さいたい)ヘルニアなどを胎児の段階で把握できる。生まれてすぐに投薬を開始したり、手術を受けたりできるように計画を立てられるという。

[画像のクリックで拡大表示]

 また、胎児にとって危険な貧血につながりやすい体のむくみも把握できる。重い貧血だと判断した場合には、胎内にいる間に処置を進めることもでてきた。へその緒にある静脈から輸血などの処置を始めることもできるという。

 精度ではまだ従来の2Dに及ばないが、胎児の体全体を立体的に把握できると、「具体的な診断や治療がしやすくなるため、赤ちゃんの健康を守る上で大きなメリットがある」(馬場教授)。

 進歩した診断技術や観察技術が、生まれた赤ちゃんだけでなく、おなかの中にいる胎児のときから健康を守るための心強い味方になってきた。

◇     ◇     ◇

検査内容 地域格差大きく

 日本産科婦人科学会は、妊婦には、妊娠約5カ月ごろに専門の技術者による高精度なエコー検査を受けることを推奨している。胸水や臓器の反転など、観察項目を記したガイドラインをすでに作成し、普及を目指している。だが、最新のエコーを設置している病院や検査できる医療者の数などの面で、地域格差が大きいとみられる。

 また日本超音波医学会が認定している超音波専門医は全国に2000人以上いる。そのうち産婦人科に限ると「不足状態が続いている」(馬場教授)。超音波検査では一定の技量も必要な上、胎児が動くことも多く時間もかかる。医師や検査士1人が1日で診察できる人数が限られる。

 馬場教授は「日産婦が推奨するエコー検査は自費受診のため義務化は難しいが、少しでも不安な妊婦にとって、受ける価値は十分にある」と説明する。希望する場合は「通院先に専門医や検査士がいるか確認したり、紹介してもらったりするのがよい」と助言する。

(猪俣里美)

[日本経済新聞朝刊2019年12月2日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「病気・医療」からの転載です。

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