柔道整復師を知る 外傷は保険適用、肩こりは自己負担
日本経済新聞電子版
肩こりは自己負担
健康保険が使えるのは骨折、脱臼、打撲、捻挫などの外傷だけだ。骨折と脱臼への対処は緊急の応急手当てを除き、医師の同意を得なければならない。肩こりや筋肉疲労など外傷以外の症状で施術を受けても保険の対象にならず、全額自己負担になる。
保険の使い方は医療機関とは異なり、患者が窓口でいったん全額を支払い、自己負担分を除いた7~9割部分を患者自身が保険請求する「償還払い」が原則だ。ただ実際には、患者が手続きを施術所側に委任する「療養費受領委任払い」という特例を使う場合が多い。患者は必要書類に署名すれば、ほぼ一般の医療機関と同じ感覚で利用できるようになる。
柔道整復師は「接骨院」「整骨院」「ほねつぎ」などの名称で開業している。カイロプラクティックや整体などは民間資格で保険は使えない。一方で柔道整復師が保険を使わず、マッサージなどを提供することも多い。その場合は全額自己負担だ。
医師 | 柔道整復師 | あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師(通称あはき師) | その他の民間療法 | |
健康保険の利用 | 可 | 一部可 | 一部可 | 不可 |
資格・根拠法 | 国家資格(医師法) | 国家資格(柔道整復師法) | 国家資格 (通称あはき法) | 民間資格など(根拠法なし。人の健康に害を及ぼすおそれのない限度で可) |
施設名の例 | 病院、診療所、クリニックなど | 接骨院、整骨院、ほねつぎなど | 鍼灸(しんきゅう)院、治療院、マッサージ院など | カイロプラティック、リラクゼーションサロン、整体院、アロマテラピー、リフレクソロジーなど |
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