日記でタイプを見極める… 頭痛を病気として考えよう
服薬、医師の指導を/運動に予防効果も
日本経済新聞電子版
坂井センター長は「予防や軽減には体を動かすのも有効」と強調する。片頭痛の最中は悪化するので、痛みがない時に毎日数分でも体を動かすようにする。緊張型は痛みの最中のストレッチが軽減につながりやすい。
鈴木教授は頭痛治療の難しさについて「元気な時は病院に行きにくいし、痛みが出ると今度は動けなくて行けない。医師も適切な頭痛治療ができる人が少ない」と指摘。検査でも異常が見つからず「病院に行っても無駄」と諦めるケースも少なくないという。
未解明な部分もあるが「脳の何らかの変化による病気であることが分かってきた」(坂井センター長)。「頭痛がなければ違う人生があるのではないかと感じたら、迷わず専門医の受診を」と鈴木教授。専門医は、日本頭痛学会のホームページで確認できる。我慢せず解決の道を探ろう。
白くまぶしい照明で悪化傾向
片頭痛を引き起こすきっかけの一つに「光刺激」がある。東京頭痛クリニック(東京・渋谷)の丹羽潔理事長は、光の色によって痛みや不快感に違いがあることを今年の日本頭痛学会総会で発表した。診察内での照明を白、灰色、緑、青、赤色に切り替えて、頭痛持ちだという男女707人を対象に症状を観察した。
白くまぶしい照明の光では頭痛が悪化する傾向にあった。また、片頭痛の患者では、発症中であってもなくても、緑色の光だと不快感や症状が抑えられることがわかった。「普段から視界に入るように、観葉植物などの緑色のインテリアを置くのも良いだろう」と丹羽理事長は助言する。
(ライター 結城 未来)
[日経プラスワン2016年10月29日付]
