日記でタイプを見極める… 頭痛を病気として考えよう
服薬、医師の指導を/運動に予防効果も
日本経済新聞電子版
頭痛といっても単に「頭が痛い」だけでなく、人によって「吐き気がする」「首から肩にかけて辛い」など悩みは複雑。動けなくなるほど悪化し社会生活に影響が出ることもある。なかなか病気としての認識も広がっていないという。頭痛の仕組みは未解明なことも多いが、徐々に分かりはじめている。悩み軽減のためのヒントをまとめた。

埼玉精神神経センター(さいたま市)内にある埼玉国際頭痛センターの坂井文彦センター長らが実施した4万人への電話調査とその中から抽出した約4000人へのアンケート調査を基に推計すると「日本の頭痛人口は全人口の約4割を占める」(坂井センター長)。だが「頭痛のつらさは他人に理解されにくく、黙って一人で耐えている人が多い」(同)。
実は頭痛にも種類があり、国際頭痛学会の分類では症状別に367種類に分類される。くも膜下出血や髄膜炎、副鼻腔炎など他の病気に伴うものも含まれる。
最も多い緊張型
坂井センター長らの調査で一番多かったのが「緊張型頭痛」と呼ぶもの。日本人の2割が悩んでいるという。精神や肉体的ストレス、姿勢の悪さなどで頭を支える筋肉が緊張して起きる。「ストレス頭痛」ともいう。
だるさや疲れ、めまいを感じやすく、頭を締め付けるような痛みや肩・首のコリ、ときには歯や顔、胸などの痛みにまで発展する。痛みはほぼ毎日、30分のこともあれば一日中続くこともある。
その次に多いのが「片頭痛」だ。遺伝的な要因が強いとされる。主に頭の片側が脈打つようにズキンズキンと痛む。吐き気を伴いやすく、光、音、臭いなどの刺激に過敏になりがちだ。ひどい痛みが数時間から3日間ほど続き、寝込むことも。
「体の内外の『変化』に反応しやすい人が、片頭痛をおこしやすい」と坂井センター長。例えば気圧の変化に反応しやすい人は、台風が近づくと片頭痛をおこしやすい。天気、温度、湿度、人間関係などでも起きる。とくに精神的な変化で起こるのが「週末片頭痛」だ。激務のストレスからの解放後に発症しやすい。片頭痛は月経によるホルモンの変化が大きい女性に多く、生理前などに発症しやすい。
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