おなかにガス、張りや痛み 食事法・上体ひねりで対策
日本経済新聞電子版
小腸で腸内細菌が急激に増え、ガスが充満する「小腸内細菌増殖症(SIBO=シーボ)」に着目するのは江田クリニック(栃木県栃木市)の江田証院長。「小腸に水素ガスやメタンガスが増えると、下痢や便秘を起こしやすくなる」と強調する。
正常な小腸の場合、腸内細菌は大腸に比べて非常に少なく、ガスもほとんど出ないのだという。江田院長は「SIBOを発症すると腸内に炎症が起き、粘膜が傷ついてしまう。血流によってその影響は全身に及び、様々な病気の引き金になりうることが分かってきた」と警告する。
SIBOの原因のひとつは小腸の収縮運動の機能低下だ。ストレスや不摂生などで自律神経のバランスが乱れると、食べ物の栄養を取り込んだ後の残りが大腸に送られず、小腸に停滞。これをエサに腸内細菌が増殖する。江田院長は「収縮運動はしばらく食べ物を口にしないでいると起こる。小腸の動きをよくするには間食しないことが大切だ」と助言する。またFODMAP食は小腸でも腸内細菌の増殖につながる可能性があるといい、注意を促している。
(ライター 松田 亜希子)
[NIKKEI プラス1 2021年11月6日付]