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成人ぜんそくに注意 昔、無縁でも30代以降に発症も

 日本経済新聞電子版

子供の病気という印象が強い気管支ぜんそくだが成人の患者も少なくない。アレルギー性が大半の子供と比べ、過労なども影響する成人は治りにくいとされる。しかし早期の治療と予防で、健康な生活は保てる。

写真はイメージ=(c)rawpixel-123RF

 気管支に慢性的な炎症が生じ、放置しておくと突然呼吸が苦しくなるなどの発作が起きるぜんそく。のどがヒューヒュー、ゼイゼイ鳴り、呼吸困難に陥ることもある。要因はダニやカビなどのアレルギーが多く、子供の場合は9割、成人でも5割を占める。

 複十字病院(東京都清瀬市)の大田健病院長は「日本では成人の5%以上がぜんそく患者と推測される」と話す。小児ぜんそくは適切な治療を行えば、中学生ぐらいでひどい発作がなくなり「6~7割は症状がほぼおさまる」(大田病院長)。成人では、子供のころはぜんそくと無縁だったにもかかわらず、30代以降に発症するケースがある。

 こうした成人のぜんそくは、「適切な処置をしないと重症化しやすい。症状がなくなるのも1割程度」(大田病院長)。また成人は子供に比べて、アレルゲン(アレルギーの原因物質)が特定できない例も多い。だが、早い段階で受診し、吸入ステロイド薬などを定期的に使用すれば、症状をコントロールしながら、健康な人と変わらぬ日常生活を送ることができる。

 埼玉医科大学の永田真教授によると「アレルギー性の場合は、吸入ステロイド薬の薬物療法で8~9割の患者は症状が緩和する」。ただし、炎症を抑えることで発作が起きないようにするステロイド吸入薬は、症状が和らいだからといって使用をやめるとすぐに効果が失われる。服用期間を自己判断するのは禁物だ。

 重症になった場合は、体内のアレルギーを引き起こす物質の働きを抑える抗体製剤が使われる。近年、注目されているアレルゲン免疫療法は、「原因となるアレルゲンに対する体の反応(免疫反応)を長期間にわたり改善していく」(永田教授)治療法だ。皮下注射と錠剤による舌下免疫療法の2種類がある。

 非アレルギー性のぜんそくが比較的多くみられることも成人のぜんそくの特色だ。例えば、風邪やインフルエンザなどの感染症はぜんそく発症の引き金となる。喫煙や受動喫煙、過労やストレスも発症を促す可能性がある。さらに「欧米の調査では肥満とぜんそくの関係も指摘されている」(大田病院長)という。

 ぜんそくには「せきぜんそく」というタイプもある。せきが長く続く症状が特徴で、ぜんそくに見られるヒューヒューなど音がする症状や呼吸困難はない。風邪と思って放置されることが多いが、適切に対処しないと、様々な症状を引き起こすことがある。

 せきぜんそくも、アレルギーのほか、風邪や気管支炎などが発症原因と考えられている。気道が炎症によって敏感になることも共通する。放置しないためには「目安として空ぜきが8週間以上続き、せき止め薬が効かないようなら、せきぜんそくの可能性を疑う」(永田教授)。

 ぜんそく同様に吸入ステロイド薬で症状は治まる。効果が不十分ならステロイド吸入薬と気管支拡張薬の配合剤が使われる。1~2週間で症状が改善することが多い。

 もし、アレルギー性のぜんそくやせきぜんそくを発症したら、こまめに部屋の掃除や換気を行い、布団を干す。原因となるダニ、ハウスダスト、花粉、またペットの毛などを吸い込まない生活環境づくりを心がけたい。

 また、症状を悪化させる風邪やインフルエンザにかからないよう、ワクチン接種や外出時のマスク着用や帰宅後の手洗いは怠りなく。喫煙者は禁煙することを勧める。

(ライター 大谷新)

[NIKKEIプラス1 2020年10月10日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「健康づくり」からの転載です。

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