高齢者の「薬漬け」対策急ぐ 学会指針、専門外来…
体力低下、副作用出やすく
日本経済新聞電子版
高齢患者の服薬 3割が「10種以上」
厚生労働省が2014年12月の診療データを集計したところ、75歳以上の患者で10~14種類の薬を服用していたのは20.2%で、15種類以上は7.1%。10種以上が3割近くを占めている。同省の研究報告では、多剤併用による副作用の症状としては意識障害や低血糖、肝機能障害、ふらつき・転倒などが多い。
薬の種類が多いと副作用は増えがちだ。東京大学病院老年病科の入院患者への調査では、薬剤の投与が1~3種類の患者のうち副作用が確認されたのは6.5%だったのに対し、6種類以上では1割強だった。
ただ患者が自己判断で服薬をやめるのは禁物だ。同病院の秋下雅弘教授は「必要な薬までやめてしまい、病状が悪化する懸念がある」と指摘。医師や薬剤師など専門家に相談するよう呼び掛けている。
(野村和博)
[日本経済新聞朝刊2016年9月18日付]