もしかしてスマホ依存? 手放せない自覚あれば受診を
目立つ睡眠障害
日本経済新聞電子版
ポケモンGOが日本列島を席巻中だが、それ以前から、片時もスマートフォン(スマホ)を手離せず、インターネット(ネット)につながっていたい人が増えている。個人情報の流出やいじめ、浪費以外に、健康に直結するのが「依存」という問題だ。病的な状態の「依存症」に至ると医療の手助けが必要になる。

「治療が必要だよ。このままでは学校にも行けなくなるよ」。クリニックで医師に告げられたある中学生は一瞬ビクついた。スマホを片時も離せず睡眠不足に陥ったため、母親がクリニックに連れてきたのだ。
東京成徳大学の田村節子教授が作成、東京都のこどものネット・ケータイのトラブル相談!こたエールで使用する「睡眠&生活チェックシート」(下図参照)を記入させたところ昼夜が逆転。本人も自覚し、夜眠れるよう薬を使うなどで徐々に生活が改まっていった。
全国に先駆け2011年から「ネット依存治療」を始めている病院もある。久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)では専門的な治療に取り組む。患者は中高生を中心に大半が大学生以下だが、20代後半から40代へと広がっているという。スマホでオンラインゲームや動画鑑賞などにのめり込んでいる人が多い。
アルコールや薬物のような物質への依存も、ネットのように特定の行動嗜癖でも本質は同じ。脳内の「報酬系」という神経回路にスイッチが入り、欲求が満たされると「気持ちがいい」と感じるドーパミンという物質が流れるようになる。その行動をせずにはいられなくなり深みにはまる。ギャンブルや買い物への依存も同じだ。
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