水虫、種類に合わせ治療を 市販薬の前に専門医に相談
塗り薬は1カ月以上、足の裏全体に
日本経済新聞電子版
職場でサンダル
薬を使い始め、かゆみなどの症状が治まると、治療を自己判断でやめてしまう人が少なくない。「症状が治まっても白癬菌は残っている。完治には角質が新しくなるまで最低でも1カ月は薬を使い、菌を完全に退治する必要がある」(児島さん)。医師に相談しながら根気よく治療を続けよう。
そもそも水虫にならないためには、どうすればいいのだろう。何よりも、白癬菌が繁殖しやすい高温多湿の環境を作らないこと。職場ではサンダルに履き替える、同じ靴を続けて毎日履かない、自宅では素足で過ごすといった工夫が有効だ。「足の指が離れる五本指ソックスを履くのもおすすめ」(仲院長)
そして、足を清潔に保とう。入浴時にはせっけんを泡立て、手の指を使って、足の指の間から足裏全体を丁寧に洗う。「かかとがガサガサするからといって、軽石でこするのは禁物。傷がついて感染のリスクが高まる」(清教授)という。
水虫は家族からうつるケースが最も多い。次いで、ジムや温泉など不特定多数の人が素足で歩く場所。ただし「床に落ちた白癬菌を踏んでも、毎日きちんと足を洗えば予防できる」(仲院長)
それでも水虫になってしまったら、しっかり治療を受け、周りの人にうつさないようにしよう。
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頭や顔、首などで発症する菌も
頭や顔、首などの体にできる水虫にも注意したい。「新型水虫」と呼ばれるトリコフィトン・トンズランス菌は皮膚に接触することで感染する。「2000年あたりから国際交流のある格闘技選手の感染が目立ちはじめ、今は一般にも広まっている」(清教授)。ネコなどのペットからうつるのがミクロスポルム・カニス菌。「最近はネコカフェで感染するケースも見られる」(仲院長)
いずれの菌も毛を好み、毛穴の奥に侵入しやすい。「頭部に感染すると脱毛、体では赤い縁取りのある輪状の発疹ができるのが特徴」(清教授)。感染かもしれないと思ったら、皮膚科専門医を受診しよう。
(ライター 田村 知子)
[日経プラスワン2016年8月13日付]