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夏は注意、尿路結石いつもの2倍 就寝前トイレも対策

 日本経済新聞電子版

激烈な痛みを伴う尿路結石。日本人の男性7人に1人、女性の15人に1人が一度はかかるという。夏は発汗量が増えて尿の濃度が高まり、結石の発症が増える。生活習慣の見直しが効果的な予防法だ。

写真はイメージ=(c)PaylessImages-123RF

 尿路結石は、腎臓から尿道に至る尿路に、尿中のカルシウムやシュウ酸などの成分が固まってできる石のこと。腎臓にできる場合もあれば、膀胱(ぼうこう)にあるケースもある。このうち、腎臓と膀胱をつなぐ尿管に結石ができて詰まると、背中や脇腹に激しい痛みが起こる。順天堂大学泌尿器科学講座の磯谷周治准教授は痛みのしくみを「尿管に結石が詰まることでその上流に尿がたまり、圧迫された腎臓が腫れて激しく痛む」と説明する。

 よく勘違いされるが、痛みは結石が尿路を傷つけて起こるのではない。腎臓や膀胱などに結石があっても、尿の流れがさえぎられない場合は痛みはそれほどない。ただ、尿路のうち、尿管に結石があると尿の流れを止めてしまう可能性が高くなる。

 尿路結石の発作は7~9月に増える。他の季節の2倍ともいわれる。暑さで大量に汗をかき脱水気味になると尿が濃くなり、結石ができやすくなる。防ぐには十分な水分を取り、尿を濃くしないことが欠かせない。磯谷氏は「食事以外に1日2リットル以上の水分摂取」を勧める。その際は、水か麦茶やほうじ茶がいい。緑茶やコーヒーには、結石の原因になるシュウ酸が多く含まれるためだ。

 また、尿が長時間、尿路にとどまらないように心がけたい。新百合ケ丘総合病院(川崎市)尿路結石破砕治療センター長の荒川孝氏は、「就寝前にしっかり排尿しておくといい」と提案する。

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 生活習慣の乱れも尿路結石につながる。荒川氏によると「生活スタイルや運動量など様々な要因が複合的に関わっている」という。さらに、尿路結石がある人は「高血圧、糖尿病、脂質異常症などを合併しやすい」(荒川氏)傾向もある。

 尿路結石の効果的な予防法の一つが肥満を防ぐことだ。肥満度が増すに従い、結石の原因となる尿中の尿酸、シュウ酸などの濃度が高まる。規則正しく、過食しないことが重要になる。

 食事ではレバーなどプリン体を多く含む食品を取り過ぎないようにしたい。プリン体は分解されて尿酸になる。過剰摂取すると尿酸値が高まり結石の元になる。

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 アルコール飲料もプリン体が多いので摂取量に注意したい。また、過度な飲酒は腎臓の機能を低下させ、尿中の尿酸値を上げてしまう。1日量の目安は、ビールなら500ミリリットル、日本酒なら1合程度にとどめるのが理想だ。

 カルシウムを取るのも効果がある。「結石の成分であるシュウ酸は、腸内でカルシウムと結合すると、便として排出される」(磯谷氏)からだ。シュウ酸の多いコーヒーを飲んだり葉物野菜を食べたりする際は、ジャコや乳製品などのカルシウムを多く含む食材と一緒に取るといい。

 尿路結石にはいくつかの治療法がある。結石が6ミリメートル未満の小さいケースは水分摂取や運動で自然に排出されるのを待つのが一般的だ。

 それ以上の大きさなら入院を伴う治療が必要になる。通常6~10ミリメートル未満なら、皮膚の外から衝撃波を当てて石を砕いた上で自然に排出させる。10~20ミリメートル未満であれば尿道から内視鏡を入れ、レーザーで石を砕いて摘出する。これより大きい結石は、背中から腎臓に開けた穴から内視鏡を入れて結石を摘出するが、体への負担が大きく入院日数も長くなる。

 結石を防ぐライフスタイルをしっかり身に付け、生活習慣病も予防したい。

(ライター 武田京子)

[NIKKEIプラス1 2019年7月27日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「病気・医療」からの転載です。