日経Gooday TOP  > 医療・予防  > トピックス from 日経電子版  > 実は夏に多い虫垂炎 右下腹に痛み、再発リスク意識

トピックス from 日経電子版

実は夏に多い虫垂炎 右下腹に痛み、再発リスク意識

 日本経済新聞電子版

一般に盲腸とも呼ばれる虫垂炎は幅広い年代がかかる病気だ。かつては手術が中心だったが、最近は薬による治療を選ぶケースが増えている。独特の痛みの出方があり、疑いがあれば早めに医師に相談したい。

(写真はイメージ=123RF)

 腹部の違和感が痛みに変わり、徐々に強くなって右下腹部に移ってきた。吐き気もあって耐えられない。虫垂炎の典型的な症状だ。

 虫垂は大腸の一部、盲腸から細長く突き出た部分。虫垂炎の原因は完全に解明されているわけではないが、腸の内容物の固まったものなどで虫垂が塞がれ、血流が悪くなったり、細菌が繁殖したりして起こる場合が多いようだ。

 外科医の間では経験的に「梅雨明けの暑い日に患者が増える」と言われてきた。岩手県立中央病院(盛岡市)の研究グループは手術治療した450例の気温、気圧との関係などを調べた結果を2018年に発表。宮田剛院長は「患者数は冬(11~12月)に比べて夏(7~9月)の方が明らかに多かった。気圧より気温の変化と関連していることも分かった」と解説する。

 夏に多い虫垂炎。対処法としては虫垂を切除してしまう手術治療、抗生物質などを使って炎症を抑える保存的治療がある。かつて日本では手術治療が中心だった。ただ超音波検査やコンピューター断層撮影装置(CT)の普及で虫垂の状態を正確に診断できるようになり、保存的治療が広がってきたという。

 天使病院(札幌市)の大場豪外科科長は「虫垂炎は炎症が粘膜にとどまっている状態(カタル性)から、虫垂の壁にまで広がった状態(蜂窩織(ほうかしき)炎性(えんせい))へと進む。さらに壁が壊死(えし)して腹膜炎を起こすこともある」と説明する。腹膜炎を起こすほどだと緊急手術が必要だが、軽症から中等症の初期であれば、薬での治療を目指せるという。

 だからこそ保存的治療には早期診断が重要になる。虫垂炎の初期は痛みが内臓神経によって上方向に伝わり、みぞおちの痛みとして始まる。4~6時間後には強い食欲不振や吐き気などを感じるようになる。やがて痛みはへそと右の腰骨を結ぶ線上の腰骨側から3分の1ほどのポイントへと移る。虫垂炎は他の腹痛と異なり、このポイントを指で押したり、右足で軽くジャンプしたりすると強く痛む。

 症状は患者により違い、様子を見ていて腹膜炎を起こしかけた例も。経験のある医師なら触診などで診断がつく。

1/2 page

最後へ

次へ

新型コロナウイルス感染症 最新情報はこちら
  • facebookでシェア
  • Twitterにツイート

PR

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

FEATURES of THEMEテーマ別特集

テーマ別特集をもっと見る

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

PC表示

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.