「基礎代謝」で肥満を予防
筋力・肝機能を上げよう
日本経済新聞電子版
ごろ寝も有効
臓器・組織別の基礎代謝内訳を見ると、筋肉に次いで消費比率が高いのは肝臓だ。野村消化器内科(神奈川県茅ケ崎市)の野村喜重郎院長は「肝臓をいたわり、肝機能を高めることは、基礎代謝アップにつながる」と話す。酒の飲み過ぎなど肝臓に負担をかける生活習慣を、まずは改めよう。
「夕食を控えめにし、朝食を抜かない。1日3食規則的に取ることが大事」(野村院長)。お勧めは、タンパク質しっかり、炭水化物少なめの献立だ。バリン、ロイシン、イソロイシンを含む食材は肝機能向上も期待できる。
「おわんに味噌とたっぷりのかつお節を入れ、熱い緑茶を注ぐだけの『茶節』は、肝臓をいたわるのに最適」(野村院長)とも。二日酔いに効果があるとして、鹿児島に古くから伝わる伝統食だ。味噌、かつお節、緑茶とも肝機能障害を予防する成分が豊富だという。
「食後15分のごろ寝も、実は基礎代謝アップに有効」と野村院長。食後は胃腸の消化作用に血液が回され、肝臓の血液が減る。「頭と足の下にクッションなどを入れ、おなかが低くなる体勢で寝ると、重力で血液が肝臓に集まり、肝臓が活性化する」。職場では、椅子を2つ向かい合わせにし、両足を上げて休むだけでもいい。
「ただし、血糖値が上昇する30分後より長く休むのはよくない。15分以内にやめ、そのあとは動くこと」(野村院長)。基礎代謝のために、筋力と肝機能を高める努力を始めてはどうだろう。
(ライター 松田亜希子)
[日経プラスワン2016年7月9日付]