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血液1滴、早期がん見逃さず 20年にも検査が実用化

 日本経済新聞電子版

わずか1滴の血液や尿から早期のがんを発見する――。そんながんの検査が早ければ2020年にも一部の人間ドックや健康診断で受けられるようになりそうだ。痛みや放射線被曝(ひばく)のある精密検査を受ける前に、がんの可能性をある程度見分けられる。がんの見落としを防いだり、過剰な検査を省いたりすることにつながる。「痛い」「面倒くさい」といったがん検査のイメージが大きく変わりそうだ。

血液検査で採血した血液の一部でがんを発見できる(イメージ写真)=国立がん研究センター提供

 「がんの可能性を言い当てる能力の高さに驚いた」。国立がん研究センター中央病院消化管内科の加藤健医長は、研究に加わっているがん検査技術の威力をこう話す。検査を受けた人のほんの少しの血液を調べることで、乳がんや大腸がん、卵巣がんなど多くのがんを95%以上の精度で発見できた。鍵を握るのはがん細胞が血液中に放出する「マイクロRNA(リボ核酸)」と呼ぶ物質だ。

 血液によるがんの検査としては、腫瘍マーカーが広く使われている。がんにかかると血液中に増える特定のたんぱく質や酵素を調べる検査だ。ただ「がんの早期発見という目的では使っていない」(加藤医長)。

 例えば胃がんや大腸がんなどの検査に使うCEA(がん胎児性抗原)は「進行がんでも3~4割の患者しか値が上昇しない」(加藤医長)という。そのため、腫瘍マーカーは主に治療効果を確認したり再発の有無を調べたりする目的で使われている

 この限界を克服するために期待されているのが、血液中のマイクロRNAを調べる方法だ。マイクロRNAは遺伝子の働きにかかわる物質で、体内に約2600種類存在する。そしてがんは早期から、特定のマイクロRNAを分泌することで増殖したり転移したりしている。国立がん研究センター研究所の落谷孝広客員研究員が中心となり、その仕組みを研究してきた。

[画像のクリックで拡大表示]

 血液中にどのマイクロRNAが増えているかを調べれば、がんの有無やがんができた臓器を早い段階から予測できる。必要な血液量は50マイクロリットル程度と1滴分だ。この検査でがんの可能性が高ければ、内視鏡検査やコンピューター断層撮影装置(CT)検査で詳しく調べればいい。

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