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「爪の水虫」気づかず家族に感染 放置で痛み、転倒も

 日本経済新聞電子版

痛みやかゆみといった症状がみられず、気づきにくい爪水虫。放っておくと爪が分厚く変形し、爪切りも使いにくく、歩くと痛みを感じるようになる。基本的に市販薬では治せないので、早めに皮膚科を受診しよう。

(写真はイメージ=123RF)

 夏にかけて気温や湿度が上がっていく時期、水虫に悩まされる人が増えてくる。水虫は白癬(はくせん)菌というカビが皮膚に感染して繁殖する病気。爪にできる水虫(爪白癬)は厄介だ。完治させるのが難しい。

 爪水虫の患者は想像以上に多い。日本臨床皮膚科医会によると、日本では10人に1人はいるという。この数字に基づけば日本で患者は1000万人を超えるはずだが、実際に治療を受けているのはそこまで多くない。医療機関を受診する人が少ない理由のひとつに痛みやかゆみがなく、気づきにくい点が挙がる。

 「足の水虫でも、かゆみを感じる人は1割程度しかいない。特に高齢者では同年代に爪水虫が増えてくるため、爪が濁っても単なる老化現象と思っている人が多い」。東京医科大学皮膚科の原田和俊主任教授はこう指摘する。

 爪水虫はもともと水虫になっていて、そこから白癬菌がうつるケースが多い。目立つのが爪の先端から白癬菌が侵入するタイプ。爪の根元や表面から菌が入る場合もある。発症すると爪が白や黄色に濁り、分厚く変形してしまって爪切りで形を整えるのが難しくなる。歩くときも靴に当たって痛み、高齢者ではこれが転倒の原因にもなるという。

 特に糖尿病の人は要注意。原田教授は「小さな傷から壊疽(えそ)を起こしやすく、足を切断しなければならなくなるかもしれない」と警鐘を鳴らす。

 背中やお尻など体の他の部分に白癬菌が感染し、いわゆる「たむし」になることもある。牧田総合病院(東京・大田)皮膚科の北見由季部長は「たむしで受診した方を調べてみると、爪水虫があったという例は多い」と指摘する。生活圏に白癬菌をばらまいてしまい、同居する家族にうつす可能性が高くなる。

 「現時点では爪水虫を治す市販薬はなく、処方薬を使うことになる」と原田教授。爪が厚くなった、色が濁ってきた、先端がはがれるなど、爪水虫が疑われる場合には早めに皮膚科を受診しよう。

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