脅威はMERS以外にも 感染症「耐性菌」が出現
日本、専門家養成急ぐ
日本経済新聞電子版
法律、危険度で5分類 MERSは2番目 感染者には入院勧告
日本は1940年代頃までは結核やマラリアなどの患者が大量発生する「感染症大国」だった。しかし経済成長と並行して、国や社会を挙げて公衆衛生活動に取り組んだ結果、60~70年代には主な感染症の撲滅に成功した。
99年施行の感染症法は、感染力や致死率などを基に約110種類の感染症を5つに分類し、入院の必要性や医師が患者発生を届け出る期間などを定めている。最も危険な1類はエボラ出血熱など7疾患が指定されている。日本では87年に西アフリカ・シエラレオネからの帰国者が野ネズミから感染するラッサ熱を発症して以降、いずれも確認されていない。
中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)については厚生労働省が今年1月、危険度が2番目に高く、感染した場合は入院が勧告される2類に指定した。2類には結核や2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)が含まれる。
(平野慎太郎)
[日本経済新聞朝刊2015年6月28日付]