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困る「肛門のかゆみ」 洗いすぎ・かきすぎで増幅

 日本経済新聞電子版

お尻の穴がかゆくなる「肛門そうよう症」。症状が出ても周囲には相談しにくい部位だけに困っている人が多いのではないか。過度な清潔志向が引き起こすケースもあるという。かきすぎて悪化する前に対処したい。

写真はイメージ=123RF
写真はイメージ=123RF

 肛門そうよう症は肛門や周辺の皮膚にかゆみを感じる状態の総称。JCHO東京山手メディカルセンター(東京・新宿)の山名哲郎・大腸肛門病センター長は「肛門の病気といえば痔(ぢ)が代表的だが、肛門そうよう症も珍しいものではない」と話す。

 実際に症状を訴える人も多いようだ。はっとり大腸肛門クリニック(金沢市)の服部和伸院長は「受診患者の1割は肛門のかゆみを訴える。その大半は慢性化し、皮膚の炎症や湿疹が悪化した状態になっている」と説明する。

 かゆみは厄介だ。大阪肛門科診療所(大阪市)の佐々木みのり副院長は「我慢できずにかいてしまうと、かえってかゆみが増す悪循環に陥りやすい」と指摘する。かいて皮膚表面に傷ができると、皮膚の持つバリア機能が壊され、炎症が起こる。かゆみも脳に伝える神経が皮膚の表面まで伸びてきて増殖し、一層感じやすくなるそうだ。

 炎症がひどくても、肛門周辺は自分で確認しづらい。かきむしるうちに肛門のしわに沿って皮膚が裂け、痛みが生じる場合もあるという。

 佐々木副院長は「肛門を清潔にすればかゆみは治ると思っている人は多いが、排便時に温水洗浄便座で洗いすぎたり、トイレットペーパーで拭きすぎたりするのは逆効果だ」と強調する。皮膚の表面を覆う皮脂、皮膚を健康に保つ常在菌を過度に取り除いてしまい、バリア機能が低下。細菌やウイルスなどの病原体が侵入しやすい状態になるのだという。

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