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在宅中つい手が伸びるスナック菓子 上手な減塩法は?

 日本経済新聞電子版

コロナ禍によって自宅で過ごす時間が多くなり、塩分の多いインスタント食品やスナック菓子に手を伸ばしてしまうことがよくある。塩分の取りすぎは命にかかわる病気を招きかねない。上手な減塩法を探った。

写真はイメージ=(c)Natthapon Ngamnithiporn-123RF
写真はイメージ=(c)Natthapon Ngamnithiporn-123RF

 国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)が5月に行った調査によると、434人のうち61%がコロナ禍による緊急事態宣言以降、間食の頻度が増えたと答えた。

 在宅勤務中に手にするスナック菓子や、家飲みのつまみにあてる加工食品の量が増える例も多い。一般にこうした食品は塩分が高く、塩分の取りすぎにつながる。

 もともと日本人の食塩摂取量は多く、厚生労働省の国民健康・栄養調査(2018年)によれば1日の食塩摂取量は男性11グラム、女性9.3グラムに及ぶ。日本人の食事摂取基準(2020年版)は18~49歳の1日の食塩の摂取基準を男性7.5グラム、女性6.5グラムと定める。減塩が必要な状況だ。

 なぜ減塩が欠かせないのか。国立循環器病研究センター移植医療部長の福嶌教偉氏は、「塩分の取りすぎは、高血圧や腎臓病、骨粗しょう症、胃がんなど、様々な病気を引き起こす」と指摘する。高血圧は、狭心症や心筋梗塞、脳卒中、腎不全といった命にかかわる病気の原因になる。

 減塩が難しいのは一度濃い味に慣れてしまうと薄味ではおいしく感じられなくなるからだ。濃い味からの脱却は容易ではないが、まずは1週間、適切な塩分量の食事を続けてみる。「最初は物足りなくても次第に味覚が敏感になり、ダシのうまみの活用などで素材の味を楽しめるようになる」と同センター栄養管理室の宗本由香氏は提案する。

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 特に家庭での減塩で大切なのは、料理の味が今、どのぐらいの塩分なのか現状を知ることだ。宗本氏は「日ごろ作り慣れている料理を、塩分表示のあるレシピを参考に、調味料をしっかり計量して作るといい」と助言。それを物差しにすると、各家庭の塩分量の水準がわかる。

 また、同センターかるしお事業推進室長の赤川英毅氏は「減塩は継続することが重要。減塩食品を活用したり少ない塩でもおいしくしたりする工夫が必要」と話す。特に高齢者は、薄味にすることで食欲が落ちて食べる量が減り、筋力の低下を招くこともあるので注意が欠かせない。

 おいしく減塩するためのポイントは、他の食材のうまみを活用すること。酢やレモン汁などの酸味をプラスしたり、香味野菜や香辛料で味にアクセントを加えたりするといい。「素材自体のうまみが凝縮されている旬の食材や鮮度の良いものを使うことも減塩につながる」(宗本氏)

 また、塩自体を減らす工夫もある。まずは、汁物やラーメンなどの麺類は1日1回までにする。かまぼこなどの練り製品や、ハムなどの加工食品は塩分が高いので、薄く切って下ゆでするといい。塩分を調節した料理に家族が塩やしょうゆを追加しないように、食卓には調味料を置かないことも大切だ。

 陥りがちな間違いもある。減塩商品だからと安心して必要以上に使わない。赤川氏は「食塩の総摂取量を意識しながら取り入れることが大切」と指摘する。

 ナトリウムの排出を促すため、積極的にカリウムを取る人がいるが要注意だ。福嶌氏は「高齢者など腎機能が低下した人の場合、カリウムを取りすぎると心不全を招くことにもなる」と指摘する。

 減塩は大切だが、夏には注意すべき点がある。暑さで大量の水を飲んだり発汗で塩分が失われたりすると、低ナトリウム血症になることもある。大量に汗をかくときには、塩分を含む経口補水液などで適切に塩分を補給したい。

(ライター 武田京子)

[NIKKEIプラス1 2020年6月20日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「健康づくり」からの転載です。

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