続けやすい筋トレ法 歩くだけでは不十分
ゆっくり負荷をかけ、運動後にたんぱく質を補給
日本経済新聞電子版
何歳でもOK
では肝心の筋肉はどうすればつくのだろう。一般的に、筋肉量を増やすには「速筋」という瞬発力を発揮するときに使う筋肉を刺激する。すると乳酸という物質が作られる。「乳酸がたまると、筋肉の肥大を促すホルモンが分泌され、筋肉は大きく強くなっていく」(砂山院長)
加えて「筋肉の材料のタンパク質が十分に補給されていることが大切」(幕田トレーナー)。運動負荷をかけつつ、タンパク質を取ることで筋肉はできる。筋トレ後30分以内に、粉やゼリー状のプロテイン剤などを取れば吸収がよい。
筋トレといえば、ダンベル上げを思い浮かべる人も多いだろうが、つらいと続かない。誰でもできる、自分の体重を負荷に鍛える方法を提案してもらった(上図参照)。
コツは体の中でも大きな筋肉を使うことと、1つの動作に3秒かけて1秒姿勢をキープ、さらに3秒で元に戻すこと。「筋肉がつかない人は正しくやっていない場合が多い。負荷をかけたいところにかかっていない」と専門家は口をそろえる。
例えばスクワット。「本来は太ももや尻、大腰筋にかけたいのに、ふくらはぎの裏にかかっている人が多い。痛くなり、それ以上かけられずに力を抜いてしまう」(久野教授)。膝をつま先と同じ方向に曲げながら腰を落として椅子に座るようにし、膝はつま先より前に出さない。
負荷を高めるには、スクワットなら上図のように可動域を徐々に広げるといい。同じ刺激を続けるだけでは筋肉はつきにくくなる。10回を1セットできたら、2セット、3セットに。2カ月過ぎたらチューブやダンベルを使う。
「筋肉は筋トレ次第で何歳でも増やせる」(幕田トレーナー)。筋トレは生涯続けるものとの意識が大切だ。
(ライター 高谷 治美)
[日経プラスワン2016年6月11日付]