のどのつかえ・違和感 胃酸逆流やストレスが原因も
日本経済新聞電子版
広島大学病院総合内科・総合診療科の小川恵子漢方診療センター長は「更年期以降の女性に多いが、年齢や性別に関係なくストレスのたまった人にみられることもある。最近は新型コロナウイルス禍のストレスで医療関係者などからの訴えもある」と話す。
漢方では古くから「梅核気(ばいかくき)」と呼ばれる病態がある。梅の種がのどに引っかかってのみ込もうとしてものみ込めないような状態で、咽喉頭異常感症に通じる。治療によく使われる代表的な漢方薬が「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」だ。小川センター長は「1~2週間で改善する人が多い」と説明する。
強い口の渇きなどの症状を伴う場合は体質などをみながら別の漢方薬を処方することがあるという。
もちろん生活習慣の改善にも心を配りたい。散歩などで体を動かすといい。ストレスがかかっていると感じたら深呼吸をしてみよう。
コロナ禍によって最近は在宅勤務やウェブ会議が多くなった。斎藤教授は「リモートだと無意識のうちに声を高く張り上げるため、のどが乾燥しやすい」と忠告する。乾燥はのどの違和感の原因になりうる。こまめに水分を補給して、のどの潤いを保つようにしたい。
(ライター 佐田節子)
[NIKKEI プラス1 2021年5月29日付]