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トピックス from 日経電子版

妊娠と薬の悩み、専門外来で相談 全国40カ所

集積データを判断材料に 持病治療と両立支える

 日本経済新聞電子版

問診票送るだけ

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 利用の仕組みはこうだ。まず服用中の薬などについての専用の問診票を同センターのホームページからダウンロードして記入・郵送。センターは薬の危険性などを調査した上で、最寄りの妊娠と薬外来を紹介する。電話相談にも応じるほか、主治医に調査結果を送付してもらい、そこで相談もできる。相談件数は合計で年間2千件を超すという。

 支援が広がる一方で、添付文書に「妊婦や妊娠の可能性のある人には投与しない」「有益性が危険性を上回る場合にのみ投与する」などと記載された医薬品は多い。なぜだろうか。

 医薬品開発では動物実験などを経て、人に投与して安全性や有効性を確認する臨床試験(治験)が行われる。ただ母体などへの影響を考え、通常は妊婦には治験をしない。「安全性を証明できないため、『服用を控える』などと書かれるケースが多くなっている」(虎の門病院の横尾氏)

 妊娠の時期によって注意すべき薬はある。日本産科婦人科学会の「妊娠と薬に関するガイドライン」などによると、妊娠4~7週末は胎児の心臓や手足が形成される時期で、医薬品の影響が比較的出やすい。血栓症を防ぐ薬や皮膚病の乾癬(かんせん)治療薬によって、胎児に異常が出ることが確認されているという。

 妊娠と薬情報センターの村島温子センター長によると、米国では妊婦への投与が禁じられた薬は日本に比べ少なく、国が投与後の影響の追跡調査に取り組んでいる。日本はこうした海外の情報頼みなのが現状だ。

 このため同センターは相談を受けた妊婦の服用後の影響について出産後まで調査し、データベース化を進めている。すでに約6千件の情報が集まり、今後、相談に対する国内の具体例などとして活用する計画だ。

 村島センター長は「妊婦らが利用できる薬についてあまり知らない医師は多い。実例を積み上げ、普及を図っていく必要がある」と話す。

◇     ◇

専門の薬剤師育成

 妊娠と薬について専門の薬剤師を育てる動きもある。日本病院薬剤師会(東京・渋谷)は妊娠・授乳中の女性の相談に乗り、助言する「妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師」の資格を2008年度に設けた。それぞれの薬を服用する影響の有無や程度などを講義で学び、試験を経て認定される。

 15年10月時点で認定されたのは119人と、まだ少ない。同会は「妊娠と薬についての相談窓口が全ての病院にあるわけではない。こうした資格の認定者を増やし、気軽に相談できる体制を整えていきたい」としている。

(吉田三輪)

[日本経済新聞朝刊2016年6月5日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「病気・医療」からの転載です。

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