日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > トピックス from 日経電子版  > 死因の3位 肺炎、高齢者の予防接種カギ
印刷

トピックス from 日経電子版

死因の3位 肺炎、高齢者の予防接種カギ

 日本経済新聞電子版

高齢者の肺炎は重症になりやすく、時には死に至ることもある。2014年10月から65歳以上を対象に、肺炎予防のための肺炎球菌ワクチンの定期接種が始まった。麻疹(はしか)や風疹などの主に乳幼児向けのワクチンと違い、すべての肺炎を予防できるわけではなく、一定の費用もかかるため接種率もまだ低めだ。成人がワクチンを受ける意味とは何だろうか。

 「肺炎球菌ワクチンの定期接種の相談をされたら迷わず打つよう助言している」――。愛知医科大学の三鴨広繁教授はこう強調する。肺炎による死亡リスクを下げられると考えているからだ。

 三鴨教授によると、今年3月、愛知県内の老人介護施設で生活する友人同士の70歳の女性、AさんとBさんでは、ワクチン接種の有無で明暗が分かれた。接種したBさんに対し、Aさんは打てなかった。その後、施設内で肺炎が流行するとAさんはかかり、10日ほど入院。Bさんはかからず、「ワクチンを打っておいてよかった」と安堵していたという。

[画像のクリックで拡大表示]

 肺炎は、くしゃみの飛沫やつばなどに含まれた細菌やウイルスなどが肺に入り込んで起きる。通常の風邪と似ているが、ひどくなると熱が下がりにくく、たんを伴うせきが続き、息苦しいなどの症状が出てくる。

 体力がある若い人などは細菌やウイルスを攻撃する免疫機構が十分に働くため、重症化することはまれだ。免疫機構が衰えている高齢者の場合、事情が違う。肺炎は心臓病に続き、日本人の死因の第3位。肺炎で死亡する人のうち65歳以上の高齢者は97%も占める。高齢者にとって肺炎にかかるのはまさに死と隣り合わせだ。

 こうした点から、あらかじめ肺炎に対する免疫を高めて予防するのが肺炎球菌ワクチンだ。肺炎の原因菌やウイルスは多くの種類がある。65歳以上で人混みに出かけることで肺炎になり入院した患者のおよそ3割の原因は肺炎球菌によるもの。肺炎球菌ワクチンはこの肺炎球菌による肺炎の重症化を防ぐのが目的だ。

 現在日本で使われている肺炎球菌ワクチンは2つ。米メルクの日本法人、MSDが販売するワクチンは九十数種類もある肺炎球菌のうち23種類に効果があり、生活空間にいる肺炎球菌の約7割はカバーできる。免疫がつきやすいとされるファイザーのワクチンは13種類に効果があり、カバー率は約5割だ。

 東日本大震災で被災した宮城県では肺炎患者が多く出た。そこで宮城県医師会と日本赤十字社は11年秋に、定期接種となる前の肺炎球菌ワクチンを高齢者に接種した。予防効果を検証した国立感染症研究所の大石和徳・感染症疫学センター長は「肺炎球菌による肺炎の死亡確率を半減できたようだ」と話す。

 肺炎球菌ワクチンで現在、定期接種として認められているのはMSDのワクチンだけ。65歳から5歳ごとの年齢時に公費助成が受けられ、自己負担は数千円で済む。現行制度は5年間かけてすべての高齢者に接種する計画だ。

1/2 page

最後へ

次へ

肺炎
キーワード一覧へ

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 強い足腰を維持するための「骨」の強化法

    健康長寿の大敵となる「骨の脆弱化」を予防するには、若いうちから「骨を強くする生活習慣」を取り入れていくことが大切だ。このテーマ別特集では、骨が弱くなるメカニズムや危険因子、骨を強く保つための生活習慣のポイントなどについて解説していく。

  • もの忘れと認知症の関係は? 認知症リスクを下げる生活のポイント

    年を取っても認知症にはならず、脳も元気なまま一生を終えたいと誰もが思うもの。しかし、「名前が出てこない」「自分が何をしようとしたのか忘れる」といった“もの忘れ”は、中高年になると誰もが経験する。⾃分は周りと比べて、もの忘れがひどいのでは? ひょっとして認知症が始まったのか? と不安になる人も多い。このテーマ別特集では、もの忘れの原因や、将来の認知症にどうつながるのか、認知症を予防するにはどうすればいいのかについて、一挙にまとめて紹介する。

  • 痛風だけじゃない!「高すぎる尿酸値」のリスク

    尿酸値と関係する病気といえば「痛風」を思い浮かべる人が多いだろう。だが、近年の研究から、尿酸値の高い状態が続くことは、痛風だけでなく、様々な疾患の原因となることが明らかになってきた。尿酸値が高くても何の自覚症状もないため放置している人が多いが、放置は厳禁だ。本記事では、最新研究から見えてきた「高尿酸血症を放置するリスク」と、すぐに実践したい尿酸対策をまとめる。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.