便秘、タイプ別の解消法 腸のねじれの可能性も
お腹のマッサージや「考える人」のポーズが有効
日本経済新聞電子版
便秘対策といえばヨーグルトに食物繊維、それでもダメなら便秘薬を試す人は多いだろう。だが実際には、うまくいかない場合もある。実は便秘にはいくつかのタイプがあり、症状に応じて対策がある。最近、腸がねじれることで起きる便秘があることも分かってきた。タイプ別便秘の原因と対策をまとめた。

新しいタイプも
便秘には大きく4つのタイプがあることが分かってきた。そのなかでも、今、知っておいてほしいのは「『ねじれ腸』というタイプの便秘」と指摘するのは、久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の水上健内視鏡部長だ。
水上部長は患者の大腸内視鏡検査をするなかで、腸の一部がねじれている人が非常に多く、便秘になりやすいことに気づいた。「ねじれた場所は便が通りにくく、硬い便が栓のように詰まる」(水上部長)。腸の動き自体は正常なので詰まった便を通そうと活発に動く。すると腸の中の圧力が上がり痛みが出る。
便秘を解消しようと、サプリメントなどで食物繊維を大量にとったり、下剤を飲んだりすると、ますます痛むことも。
ねじれ部位は人によって差があるが、下行結腸やS状結腸部分がねじれると便秘になりやすい。「便秘のとき、いつも同じ所が痛む人は、そこがねじれている可能性が高い」と話す。
対策は意外と簡単で、ねじれている場所を外からマッサージすること。グイグイ押すのではなく、お腹の中をゆらゆらと優しく揺らすイメージだ。ねじれがゆるんで通りやすくなる。左脇腹から下腹部を中心に揺らす。腸が下腹部の方に垂れ下がっている場合も多いので、下腹部からみぞおちに向かってゆさゆさ押し上げるのもいい。
マッサージのほか、「体をねじる運動も有効」と水上部長。運動というと歩くことを考えるが、ねじる動作が多いラジオ体操がお勧めだ。
その他、従来からいわれる便秘には「直腸性便秘」「けいれん性便秘」「弛緩(しかん)性便秘」の3つがある。
「直腸性便秘」は便が腸の出口付近で詰まる。便意があるのにトイレを我慢することが原因といわれてきた。便意は便が直腸に入ったサイン。日ごろから我慢していると、やがて便意が鈍り、直腸に便がたまる。このタイプは、便意がなくても毎朝習慣的にトイレに行こう。徐々に便意を感じられるようになる。
- 次ページ
- 考える人で解消