「かかりつけ医」選びのコツ 専門性より総合力
日本経済新聞電子版
女性にとっては「産婦人科」はかかりつけ医の有力な選択肢となる。
三重大病院(津市)の産婦人科の池田智明教授は「産婦人科は“女性の総合診療科”。思春期から成熟期、老年期まで一生をサポートできる」と説明する。
長く付き合うことになるかかりつけ医とは相性も大切だ。太田医師は「予防接種や健康診断などで受診し、質問に対してどのように答えてくれるのか試してみては」と提案する。
例えば禁煙の相談をした場合、すぐに薬物療法の説明をする医師もいる。体の不調や健康問題は食事や運動、喫煙、飲酒など生活習慣が大きく影響する。太田医師は「生活習慣を変えられないならば、その原因は何かをしっかり考えてくれる医師がかかりつけ医には望ましい」と話す。
患者からの相談を受けたり、患者と医療者のコミュニケーション講座などを開いたりしているNPO法人「ささえあい医療人権センターCOML(コムル)」(大阪市)の山口育子理事長も自ら探す姿勢の大切さを強調する。
どんなかかりつけ医を望むかは一人ひとり異なる。イメージが漠然としていると、悩んでしまう。山口理事長は「『丁寧に対応してくれる』『治療のマイナス面も説明する』など、何を望むのか具体的な基準をあらかじめ決めて受診すること」を勧める。
事前に電話して応対がよかった医療機関を受診し、「診察した医師が基準に合っていればすぐに決めればいい」という。かかりつけ医という“人生の伴走者”を見つけるコツの一つだ。
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