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トピックス from 日経電子版

鎮痛薬使いすぎ注意 思わぬ副作用、頭痛や胃腸障害も

 日本経済新聞電子版

頭痛や関節痛など痛みに悩まされる場面で世話になる機会が多い解熱鎮痛薬。ただ使いすぎると、思いもしない副作用が出る場合がある。使用量やタイミングなどを確認し、安全かつ効果的に使うようにしたい。

(写真はイメージ=123RF)

 鎮痛薬というと、市販の薬を使う人も多いだろう。多くの人がよく手にするのが「アスピリン」や「ロキソプロフェン」といったもの。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれている。

 NSAIDsは痛みや炎症を引き起こす物質「プロスタグランジン」が体内でつくられるのを抑えるが、使いすぎると、胃腸障害や腎障害などを起こすことがある。プロスタグランジンが持つ胃の粘膜保護や腎臓の血流を保つといった作用まで抑えられてしまうからだ。子供や高齢者、腎機能が低下している人はとりわけ注意が必要だ。

 鎮痛薬の飲みすぎは薬物乱用頭痛を招くこともある。「症状を抑えようと薬を飲みすぎると、かえって脳が痛みに敏感になり、薬が効きにくくなる悪循環に陥る」。筑波大学付属病院水戸地域医療教育センター・水戸協同病院脳神経外科の柴田靖教授は語る。

 大事なのは薬の箱や説明書きにある用法用量を守ることだ。「鎮痛薬を月に10日以上となると飲みすぎ」と柴田教授は警鐘を鳴らす。市販の薬でなかなか改善しない場合は医療機関を受診したい。

 頭痛の場合、鎮痛薬を週に2回以上飲んだり、起きていられないほど重い症状があったりすれば医療機関へ。医師の診断を受け、片頭痛緊張型頭痛など頭痛のタイプに応じた薬を処方してもらう。

 「生理痛で1生理周期あたり4日以上継続して鎮痛薬を使うようなら医療機関を受診した方がいい」と牧田産婦人科医院(埼玉県新座市)の牧田和也院長。子宮内膜症などの病気の可能性があるからだ。「症状に応じて漢方薬や女性ホルモン製剤などの選択肢もあり、鎮痛薬を使わずにすむこともある」と話す。

 関節や筋肉などの痛みでは鎮痛薬や湿布薬の使用を1週間以上続けても治らないとき受診するようにしたい。「急性期を過ぎると、NSAIDsなどの鎮痛薬が効きにくくなる。痛みが3カ月以上続くときには症状に応じ中枢神経に作用して痛みを抑える慢性疼痛(とうつう)治療薬などを使う」と帝京大学医学部(整形外科)の中川匠教授。

 鎮痛薬の効果を最大限引き出すには使うタイミングも重要。痛み出したらすぐに使うことだ。筑波大の柴田教授は「なるべく使いたくないとひどくなるまで我慢する人がいるが、効果が出にくくなる」と強調する。一方で痛みが出る前に予防の意味で使うのは避ける。効果が期待できないばかりでなく、過剰使用につながりかねないからだ。

 湿布薬については帝京大の中川教授が「従来のものならば内服薬と併用してもほぼ問題ない。ただ最近は内服薬と同程度の量の鎮痛薬の成分が皮膚を通して吸収される変形性関節症用のものもあり、原則併用できない」と注意を促す。1日最大2枚までといった注意点を確認したい。残った湿布薬などを家族や他人が使うのも避けるべきだ。

 痛みを我慢せずに鎮痛薬の量を減らすためにも普段の生活改善が肝要。片頭痛や緊張型頭痛では引き金となるストレスや寝不足を避ける。片頭痛が起こるときの傾向を知って早めに対処するため、日常の行動や食事の内容と痛みの度合いを記録するといい。緊張型頭痛は体の緊張をほぐすストレッチ、腰痛や関節痛は無理のない範囲でウオーキングなどの運動をしよう。「生理痛は体や腹部を温めると和らぎやすい」(牧田院長)。生活習慣を見直しつつ、鎮痛薬と上手に付き合いたい。

(ライター 武田京子)

[NIKKEIプラス1 2021年4月10日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「健康づくり」からの転載です。
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