頭痛や眠気、春のせい? 2分間「頭痛体操」が有効
日本経済新聞電子版
新生活を始める人が多い春。変わりやすい天気と、年度初めの環境変化によるストレスが重なって、頭痛や眠気といった不調が起きがちな時期だ。上手に春の不調を乗り切る方法を専門家に聞いた。
「春先は頭痛や気だるさ、眠気などの不定愁訴で来院する患者が増える」と東洋医学研究所付属クリニック(東京・渋谷)の川嶋朗医師は話す。春に不調が増える大きな要因は、気候の変動やストレスが大きくなり、自律神経の働きが乱れることにある。
自律神経は体を活動モードにする交感神経と、休息モードにする副交感神経からなる。副交感神経の働きが増してくる春は、交感神経が優位な冬の状態から切り替わる時期にあたる。「気候の変化も相まって、自律神経の働きが乱れやすい。血管の拡張や収縮が適切に調節できなくなって、頭痛や倦怠(けんたい)感など様々な不調を引き起こす」と川嶋氏は指摘する。
実際に「気圧や気温など環境の変化が、片頭痛や緊張型頭痛を誘発することがわかっている」と日本医科大学付属病院(東京・文京)の臼田和弘講師は語る。気圧が高いと交感神経が優位になり、低いと副交感神経が優位になる。
3月から5月は、低気圧と高気圧が交互に日本付近を通過するため大気の状態が不安定になる。寒暖の差も激しいので、頭痛を引き起こす要因が重なりやすい時期といえる。
入学や卒業、人事異動など環境の変化が多い春先は、精神的なストレスも増えがちだ。「ストレスがたまると神経や筋肉の緊張が高まり、緊張型頭痛が起きやすい。ストレスから解放される週末や休日でも、片頭痛になりやすい人もいる」(臼田講師)
ストレスで寝不足に陥り、昼間の眠気に悩むケースもある。「緊張やプレッシャーが原因の精神的な疲労や倦怠感を、眠気と感じる人もいる」とスリープ&ストレスクリニック(東京・品川)の林田健一院長は話す。

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