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顔・手足のイボ、増えたり広がったりしたら

ウイルスや紫外線・加齢が起因 自己判断せず皮膚科へ

 日本経済新聞電子版

顔や手足に現れるイボ。多くはウイルス感染が原因だが、加齢や紫外線によるものも。見た目を気にするあまり、自己流のケアで悪化させる例がある。適切な治療には、皮膚科の的確な診断が欠かせない。

一人で悩まず、皮膚科医の診断を受けよう。写真はイメージ=(c)PaylessImages-123RF

 イボは手足や顔などの皮膚にできる小さな突起物。医学的にはイボは「疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれ、ウイルス感染によるものと、そうでないものがある。

 東京女子医科大学八千代医療センター(千葉県八千代市)皮膚科でイボ外来を担当する三石剛准教授は「イボが大きくなったり、数が増えたり、市販薬で治らなかったりした場合は、悪化を防ぐためにも早めに皮膚科を受診して」と勧める。ウイルス性のイボはいじったり、自分で取ったりすると、逆に増えることも。「皮膚科で適切な治療を受ければ、早いと1カ月ほどできれいに治る」

 ウイルス性イボで最も多いのが、手足などにできる尋常性疣贅だ。丸みをおびた形で表面はザラザラしている。多くは肌色や白色、褐色で、痛みはない。原因はヒトパピローマウイルス(HPV)。ひっかき傷やささくれなど、皮膚の小さな傷口からウイルスが入り込んで感染する。

 「現在200種類以上のHPVが見つかっており、感染した型でイボの種類が決まる」と三石准教授。「イボは良性腫瘍で、がん化の心配はない」。液体窒素を浸した綿棒を患部に押し当て、表皮の細胞ごと破壊して治療する(凍結療法)。

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 顔や腕などにできる平たいイボは扁平(へんぺい)疣贅。20~40代の女性に多く、「にきびだと思って自分でケアして、イボが増えたという例もある」と三石准教授。「自己判断せず、皮膚科医の診断を仰いで」。三石准教授はイボに薬剤を塗って免疫を刺激する「接触免疫療法」を使うことがある(保険適用外)。

 ハトムギ由来の漢方薬、ヨクイニンは体の免疫を活発にする作用があり、ウイルス性イボには効き目がある。処方薬のほか「市販薬でも100パーセントのヨクイニンエキスだと効果が期待できる」(三石准教授)。

 足の裏にできたイボは、タコやウオノメと間違えやすいため「表面部分を少し削って見分ける」とひふのクリニック人形町(東京・中央)の上出良一院長。「イボは表面近くまで血管が通っていて、削ると赤い出血点が見える」

 角質が厚い足の裏は凍結療法が効きにくいため「医師が高濃度のサリチル酸軟こうを処方することも」(三石准教授)。周りにうつさないよう、スリッパや足拭きマットの共有は控える。ただ「ウイルスに接触してもうつらない人がいる。あまり神経質にならなくてもいい」(三石准教授)。

 外陰部や肛門周囲にできる、先のとがったイボは尖圭コンジローマ。性感染症の一つなので、注意が必要だ。有効成分のイミキモドが入った塗り薬(処方薬)で治る。受診してしっかり治療しよう。

 子供に多い水いぼは軟属腫ウイルスが原因。表面がつるつるで光沢があり、中央が少し凹んでいる。プールで肌が乾燥した子供にうつる例が多いという。「局所麻酔のテープを事前に貼り、ピンセットでつまんで取る」(上出院長)

 ウイルスとは無関係のイボもある。「老人性イボ」と呼ばれる脂漏性角化症は、紫外線や加齢が原因。褐色や黒色でボタンのような形が特徴だ。液体窒素の凍結療法で治療する。

 中高年になって首や襟元などにできる褐色のポツポツ、スキンタッグ(軟性線維腫の一つ)を美容面から気にする人も多い。「皮膚科医がハサミで切り取ると、痕が残りにくい」(上出院長)。

 一人で悩まず、皮膚科医の診断を受けてタイプに合った治療を始めよう。

[NIKKEIプラス1 2018年3月24日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「病気・医療」からの転載です。