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手・指のしびれは早めに受診 放置長いと回復しづらく

 日本経済新聞電子版

手や指のしびれに悩む人は意外と多い。脳梗塞を除けば命にかかわるようなことは少ないが、症状が進むと字を書くことや箸(はし)を使うことが難しくなってQOL(生活の質)が落ちてしまう。早めに受診しよう。

写真はイメージ=(c)lightpoet-123RF
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 中高年になると手や指のしびれを感じる人が増えてくる。「原因の多くは手根管(しゅこんかん)症候群頸椎(けいつい)症など神経の圧迫で起こるもの。どの神経が圧迫されているかで症状が変わる」と竹谷内医院(東京・中央)の竹谷内康修院長は話す。

 加齢によって骨の変形や周辺組織の肥大が起こり、それが神経を圧迫する。首の頸椎を通る脊髄(せきずい)や頸椎から出ている神経根が圧迫されて起こる頸椎症は、姿勢の悪さが原因になることも多く、猫背の人は発症しやすい。よい姿勢を保つことが予防につながる。パソコンやスマートフォンを長時間使っていると猫背になりやすいので注意したい。

 脳梗塞、パーキンソン病、糖尿病などで手のしびれが起こることもある。これらの病気は、手のしびれだけということはなく、ろれつが回らなくなるなど、ほかにも大きな症状が表れる。「脳梗塞のしびれは右手だけということはなく、右手足など広い範囲で起こる。この場合、脳神経外科か神経内科を受診してほしい」と日本大学病院(東京・千代田)整形外科の冨塚孔明医局長は助言する。

 指のしびれの原因として多い手根管症候群は、靱帯(じんたい)が厚くなって手首の正中(せいちゅう)神経が圧迫されることで指がしびれる病気だ。患者は大半が女性で、女性ホルモンのバランスが崩れがちな50代以降と妊婦に多い。親指から中指にしびれを感じる一方、小指はしびれないのが特徴だ。

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 手首を曲げるとしびれが強くなるので、治療には手首を固定するサポーターが使われる。薬物療法では神経の働きを良くするビタミンB12、神経の痛みを取るプレガバリンなどが使われる。しびれや痛みが強いときは麻酔作用のあるブロック注射を打つこともある。改善しないときは手術で靱帯を切り開き圧迫部分を取り去る。冨塚医局長によると「最終的に手術に至る患者は4~7割程度。術後、半年ほどでしびれが改善していくことが多い」。

 肘の内側を通っている尺骨(しゃっこつ)神経が圧迫されることで手にしびれが起こるのは肘部管(ちゅうぶかん)症候群だ。「外反肘(ちゅう)といって、両手首を付けて腕を正面に伸ばした状態で両肘がくっつく人はなりやすい」(竹谷内院長)。これは手根管症候群とは異なり、薬指や小指がしびれる。肘を曲げると尺骨神経が引っ張られてしびれが強くなる。治療法は薬物療法が中心で、重症の場合は尺骨神経を覆う筋膜の手術を行う。

 頸椎から鎖骨の下を走る神経が圧迫されると胸郭出口症候群になる。「神経の束が圧迫されるため、腕全体など広い部分がしびれやすい」(竹谷内院長)。治療法はマッサージや運動が基本だ。神経を圧迫する骨や筋肉を切る手術を行うこともある。

 頸椎症は頸椎の変形が原因なので、首に痛みを感じる人が多いが、首には特に不調を感じないこともあるという。頸椎からは左右に8つずつ神経根が出ていて、指がしびれるのは下部にある神経根が圧迫されている場合だ。また、神経根なら片腕だけだが「脊髄そのものが圧迫されているときは両腕に症状が出ることもある」(冨塚医局長)。

 これらの病気で起こる手や指のしびれは自然に治ることもあるが、進行すると握力が落ち、細かい作業をすることが難しくなっていく。また、「長く放置しておくと回復しづらく、手術してもしびれが取れなくなることもある」と竹谷内院長は注意する。気になるようであれば、早めに整形外科を受診したい。

(ライター 伊藤 和弘)

[NIKKEI プラス1 2021年3月27日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「健康づくり」からの転載です。

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