脂肪肝、運動と食事で治す 宣告受けた記者が実践
日本経済新聞電子版
アルコールの飲み過ぎがなくても肝炎を起こす非アルコール性脂肪肝炎(NASH)。患者数は200万人とされ、生活習慣が乱れている人は誰でもリスクがある。放置すると肝臓がんや肝硬変につながるだけに早期の体質改善が必要だ。2020年末に病名を宣告された記者が、食事・運動療法に取り組んでみた。

記者は会社の健康診断で「肝機能」で「要治療」の判定を受けた。虎ノ門中村クリニック(東京・港)で再検査するとNASHと診断された。耳慣れない病名に戸惑った。かかりつけの中村康宏医師から「肥満などで肝臓に脂肪がたまる。進行すると肝炎が発症する」と説明を受けた。
ここ1年ほどお酒を飲んだ翌日のだるさに違和感は覚えていた。数値が改善しないと手術を伴う検査も必要だとして「減量と体質改善をすぐに始めた方がよい」と指導された。ジムに週2回通いながら食事を見直す日々が始まった。
これまでは朝食は抜き、昼食と夕食のいずれかは牛丼やラーメン、そばを食べる食生活だった。新型コロナウイルスの感染拡大前は飲酒を伴う会食も毎日のようにしていた。体重は77キロほど(身長は175センチメートル)で肥満の部類に入る。
ジムからは(1)3食必ず食べる(2)毎日の摂取カロリーを1600キロ前後にし、糖質を50グラムに制限する――といったルールを課された。接種する脂質は120グラム、たんぱく質は90グラムに設定された。糖質制限といわれるダイエットの手法だ。
朝は豆腐や納豆などたんぱく質類、ゆでたホウレンソウや生のレタスなどを大量に食べるようにした。朝食をしっかりとれば昼と夜の食欲が抑えられる。
昼や夜はコンビニエンスストアの食品を食べる機会も多い。商品ラベルでカロリーや糖質などの数値を見て選ぶ習慣をつけた。
続ける途中で尿酸値が異常値になった。急に体重が落ちると尿酸値が急上昇しやすいという。プロテインを飲み、たんぱく質の摂取が多かったことも要因の一つだった。たんぱく質の量は一日70グラムまで落とした。
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