ごっくん運動でのどを筋トレ 飲み込み力、低下防ぐ
のど仏上げて10秒 肺炎での死、誤嚥性が7割
日本経済新聞電子版
食べ物を飲む込みときにのどに手を当てると、のど仏が上下に動いたり、あごの下に力が入ったりするのが分かる。「女性ののど仏は見つけにくいので、だいたいの位置で構わない」(浦長瀬科長)
飲み込むときののどの動きがイメージできたら、まずは水を飲むなど意識的に飲み込む動作を。次第に水がなくても「ごっくん」と飲み込む動作ができるようにする。続いて、のど仏を上下に大きく動かす練習で可動域を広げていく。
最終的には、飲み込んだあとにのど仏を上げたまま、あごの下に力を入れ続ける状態を維持できるようにする。
「最初は少量の水を飲んで、のど仏を上げる練習をするといい」と浦長瀬科長。「慣れてきたら、水なしで飲み込んだ状態を10秒キープし、最後は勢いよく息を吐き出す。1日2~3回取り組むと、飲み込み力を強化できる」
高齢になり嚥下障害が進んでしまってからだと、こうした練習そのものが難しくなる。浦長瀬科長は「専門外来の指導が必要になる前に、予防的なトレーニングを広めたい」という思いから、嚥下トレーニング協会(東京都三鷹市)を設立した。
同協会の「のどトレ教室」で講師を務める玉沢明人理事は「今後はのどトレの講師の養成にも力を入れ、全国的に指導できる場を増やし、誤嚥予防の普及に努めたい」と話している。
(ライター 田村知子)
[NIKKEIプラス1 2018年3月10日付]
