歩いて健診受けて景品ゲット 健康ポイントが励みに
医療費の抑制につながるか
日本経済新聞電子版
健康作りに取り組む人に特典を付与する自治体や企業が増えている。歩いたり、特定健診を受けたりするとポイントがたまって景品と交換できる制度の導入が主流だ。一定期間、保険診療を受けなければ現金を給付する自治体もある。生活習慣病を予防し医療費を抑える狙いだ。ただ果たして効果があるのか、必要な受診抑制につながらないか。検証も必要になりそうだ。
「これまではすぐ車を使ったけれど、歩くようになった」。新潟県長岡市の60代主婦は笑顔で話す。
昨年3月に同市の「ながおかタニタ健康くらぶ」に加入。歩数や消費カロリーなどを記録できる活動量計が“会員証”で、入会から1年間は3000円、その後は2500円の年会費を支払う。例えば5000歩で10ポイント、健康講座受講で100ポイントになり、ポイントに応じ商品券や地元農産物、体組成計などがもらえる仕組みだ。この主婦は「たまるのが楽しみ」といい、1万5000歩を歩く日もある。
市と健康機器大手のタニタが連携して開設したJR長岡駅前の「タニタカフェ」が拠点だ。会員は体組成計で脂肪量や筋肉量を測り、カフェで送信した活動量計のデータも含め同社のインターネットサービスで推移を確認できる。
カフェでは「1回のご飯は手のひらを少し重ねておわんの形にしたくらいが適量」といった管理栄養士からの助言も受けられる。くらぶは2014年にスタート、のべ会員は3000人を超えた。
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