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トピックス from 日経電子版

体のあちこちにこぶ… がんと混同し治療に遅れも

IgG4関連疾患、詳しい医師の診察必要

 日本経済新聞電子版

 患者によっては唾液腺の次に膵臓、続いて肝臓といった具合に、いくつもの臓器にこぶが順番にできる例もある。

 こぶが体のあちらこちらにできるのは、がんに似ている。かつては膵臓がんと思って手術をしたら膵臓の炎症だったという場合もあったという。認知度が上がった今ではこうした例は減ったが、「詳しい医師がいない病院もある。間違える可能性は残っている」と千葉教授は指摘する。

 神沢部長も「膵臓にこぶができた患者の血液検査で、がんの腫瘍マーカーの値が上がることもある」と識別の難しさを話す。がん患者がIgG4関連疾患を発症する場合もあるという。

薬やめると再発

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 IgG4関連疾患の治療は、炎症を抑えるステロイドの飲み薬を使う。大半の患者は、初めは多く服用し、半年かけて徐々に投与量を減らしていくと症状が治まる。ただ、この方法では完全に治らない人も多い。千葉教授は「症状がいったんよくなっても、薬をやめると3~5割の人で再発してしまう」と指摘する。

 ステロイドは感染症にかかりやすくなるなどの副作用の心配もある。ステロイドでうまく治らない患者向けに、厚労省研究班は米国と協力し、悪性リンパ腫の治療薬「リツキサン」の効果を確かめる臨床試験(治験)も計画している。

 この病気をがんと間違えて手術すると、臓器などが傷ついてしまうが、逆の場合も注意が必要だ。がんにはステロイドが効かないため、がんによってできたこぶは小さくならず、成長してしまう。

 このため、厚労省研究班がIgG4関連疾患全体の診断基準を11年につくった。一つまたは複数の臓器で腫れた部分がある、血液中のIgG4値が一定以上などを判断材料にして診断する。「医師も患者も正しい知識を得ることが最も大切だ」と専門家は口をそろえている。

(岩井淳哉)

[日本経済新聞夕刊2015年3月20日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「病気・医療」からの転載です。

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