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トピックス from 日経電子版

50代で増える不眠の悩み 「早く寝よう」が悪循環招く

ベッドに入って眠れないときは寝室から出る習慣に

 日本経済新聞電子版

夜、眠りたいのに眠れない。夜中や早朝に目が覚めてしまう。目覚めがすっきりしない…。眠りの悩みはさまざまだ。実は、悩みの中身は年齢層によってかなり違い、若い世代では有効な対策が、中高年には逆効果になることもある。原因をきちんと理解することが、解決への第一歩だ。

 厚生労働省の調査では、睡眠で休養がうまく取れていないと感じている人は約2割。5人に1人が、睡眠に満足していないという結果だ。

 どんな問題があるのだろう。睡眠トラブルを年齢層別に見ると、世代ごとに特徴があるという。2014年に厚労省が公表した「健康づくりのための睡眠指針」は、世代別に起きる問題と対策などを助言している。

若年は睡眠不足

 悩みの中身が大きく変化するのは「勤労世代から熟年世代へ移行する50代前後」。指針作りに携わった、日本大学医学部精神医学系の内山真主任教授は指摘する。

 働き盛りの忙しい世代では「睡眠不足が大きな問題」。20代なら週末に休めば何とかなるが、30、40代では疲れが残り仕事の能率が落ちる。50代になると、さすがに無理をしなくなるので、睡眠不足は減っていく。そのかわりに「不眠に悩む人が増える」という。

 不眠には「寝つきが悪い」「夜中に目がさめる」「早朝に目覚める」「眠りが浅く、目覚めがすっきりしない」という4つの主症状がある。人は年をとると自然に睡眠時間が短くなり、眠りも浅くなりやすい。こういった症状は、加齢とともに誰にでも現れる。

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 それにもかかわらず、若いころと同様に、「睡眠不足対策」という発想で対応すると「むしろ不眠が悪化しやすい」(内山主任教授)。例えば、眠りが浅くて目覚めが悪いと感じたとき、しっかり寝ようと思って早く床につくという対策だ。

 眠気は、脳の中の「体内時計」が制御しており、毎日ほぼ同じ時刻になると強まる。だから、いきなり早く寝ようと思っても無理なのだという。

 この問題が表だって現れるのが、リタイアしたときだ。時間もあるし、健康のためにも「これからはゆっくり休もうと考えて就寝時刻を早める人が多い」が、逆に寝つきが悪くなり、もんもんと時を過ごすことになりがち。「ここから慢性的な不眠に陥るケースも目立つ」(内山主任教授)

 国立精神・神経医療研究センターで睡眠障害を研究する三島和夫部長は「不眠に悩む人が早めに床に入るのは逆効果」と言い切る。ベッド=眠れない場所と体が覚えてしまうと、ベッドに入るだけで「『また眠れないのでは』との不安が高まり、一層眠れなくなる」(三島部長)のだという。

 ベッドに入って10分以上眠れないときは、無理に寝ようとせず、一旦寝室から出た方がいい。自然に眠気が湧いたら改めてベッドに行く。「横になってすぐ眠りに入る感覚を取り戻すこと」と三島部長。

 いつまでも眠くならないのでは、と不安になるかもしれない。でも「一晩ぐらい寝不足になっても命に別条はない。むしろ『これで次の日は眠りやすくなる』と発想を切り替えることも必要」と三島部長は話す。夜更かしになっても翌朝起きる時間は一定にしよう。

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