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ストレスや緊張 春の不調は「椅子ヨガ」で乗り切る

5秒吸い8秒吐くリズムで

 日本経済新聞電子版

春は気温の変化が大きく、自律神経が乱れやすくなる。入学や就職、引っ越しなどの準備で忙しい人も多いだろう。椅子を使ったヨガを合間に取り入れて、心身を整えながら春の不調を乗り切ろう。

椅子を使ったヨガで心身を調えよう。(モデルは早稲田大学スポーツ科学学術院非常勤講師・渡辺久美、以下同)

 春は日本列島近くを通る気圧の影響で気温と天気が変わりやすくなり、「だるい」「疲れやすい」「食欲がない」といった体調不良に襲われやすい。年度替わりの忙しさや緊張、不安感なども自律神経のバランスを乱す原因になる。心身の不調が出て「自律神経失調症」を訴える人も増える。そこで自律神経を整えるのに有効なヨガのポーズから、椅子を使うメニューを紹介したい。

 ヨガは単なる肉体的な運動(フィジカル・エクササイズ)にとどまらず、心身の調和を図るのを目的とする。難しいポーズを連想する人も多いが、基本になるのは深い呼吸だ。自律神経が乱れて呼吸が浅くなっていても、自分の意思でリズムや深さを変えることが可能だ。

 椅子に座って靴を脱ぎ、足やふくらはぎをほぐしてリラックスする。浅めに腰掛けて、脳天を引き上げるイメージで背筋を伸ばす。ももに手の甲をのせて、目を閉じる。5秒ほどかけて息を吸い、8秒ほどかけてゆっくりと吐くのが基本の呼吸。気持ちを呼吸に集中させよう(動作(1)参照)。

 肩こりなど体のこわばりが気になる時には、吐くときに頭を軽く下ろし、吸うときに引き上げる動作をゆったりと繰り返そう(同(2)(3))。緊張感が強いときは、大きく息を吸って、吐きながら目を大きく開いて上を見る。同時に舌を出し、顔面を外側に開いて「顔面解放」(同(4))。

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 代謝が下がって太ったように感じるときには、上体ひねりがおすすめ(同(5))。合掌のポーズで上体を倒してひねるのも効果的だ(同(6))。座ったままではつらいという人は、椅子に片脚をのせて上体をひねってもよい(同(7))。

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 イライラや怒りを感じるときは「戦士のポーズ」(同(8)(9))。椅子の角にお尻を乗せて横を向き、片脚を後ろに伸ばす。両腕を床と水平になるよう、前後に伸ばす。さらに、片腕を斜め上方に伸ばす。

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 疲れの解消には、両脚を椅子に乗せてあぐらの姿勢になり、ももに手の甲をのせて目を閉じる(同(10))。机に両腕とおでこを付けるとよりリラックスできる(同(11)(12))。

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 運動不足を感じる時には、両脚伸ばし(同(13))。かかとを押し出すように脚を伸ばす。両腕も大きく開こう。

 食欲不振や消化不良、胸やけを感じる人には脱力胸開きをお勧めしたい(同(14))。バスタオルなどを丸めて肩甲骨の下に入れ、あおむけに寝転ぶ。両脚を椅子に乗せ膝を直角に曲げる。ゆっくりと両腕を開き、姿勢が整ったら基本の呼吸を30秒ほど繰り返す。

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 精神的なストレスは、身体をむしばむ元凶になる。様々な病気の原因になる活性酸素を発生させるだけでなく、免疫機能の低下や老化にも影響を及ぼす。陽気は穏やかでも心と身体はバラバラになりやすい春。仕事や家事の合間に身体と心の調和を図り、健やかに過ごしてほしい。

(早稲田大学スポーツ科学学術院 荒木邦子)

[NIKKEIプラス1 2019年3月2日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「フィットネス」からの転載です。