日経グッデイ

トピックス from 日経電子版

しもやけ、春先にも 温度差大きく血管に負担

 日本経済新聞電子版

3月でも厳しい寒さが続く地域があるが、日中に暖かさを感じる地域も広がってきた。1日の気温の差が10度を超える春先に注意したいのが「しもやけ」だ。冬だけの症状ではなく、高齢者などに多く見られる。急な温度差を避けるとともに、保湿クリームなどを上手に使うことで症状改善につなげたい。

 体が冷えてしもやけになると、手足の指や鼻などが赤く腫れる。入浴などで温まると痛みやかゆみを感じる。冷たい風に当たると、耳がジンジン痛くなる例もある。原因は体の末端の血行障害だ。血管の拡張・収縮の調整機能がうまく働かなくなり、血管からしみ出た物質によって炎症が起きる。

体質は遺伝する?

指に発疹ができて腫れる=左門町皮膚科の西川院長提供
[画像のクリックで拡大表示]

 手洗いや水仕事などで手が水でぬれたままだと、気化熱で急速に熱が奪われて冷える。また、雪や雨で靴下がぬれてそのままにしておくと、足が急速に冷える。靴の中で足が蒸れた際も同様だ。しもやけになりやすい体質は遺伝するといわれており、しもやけの家族がいたら要注意だ。

 しもやけ、ひび、あかぎれなどの皮膚のトラブルは、寒い冬に多く発症する。しかし「冬が過ぎれば安心というわけではない」と左門町皮膚科(東京・新宿)の西川武二院長は注意を促す。「温度差が重要なポイント」だからだ。

 たとえば、家を出て電車に乗り学校や会社に行く場合、室内や電車内は暖かいが、途中の道路では寒さを感じ、体も冷える。1日のうちに何度も温度差が生じると、毛細血管にダメージがたまり、しもやけができやすくなる。春先、夜はまだ寒いが、昼間は気温が上がり、1日の温度差が10度を超える日も出てくる。

水虫と勘違い

 しもやけはかつて、寒くても外で遊び回る子供などで多くみられたが、最近はしもやけの症状をよく知らない人も多い。このため、手荒れやあかぎれと間違えるケースも多い。足にできたしもやけは、かゆみから水虫と誤解することもある。市販の水虫薬を使っても効果はない。

 30代女性は寒い日もハイヒールを履くことが多かった。ある日、右足にかゆみを覚えた。帰宅後に見ると、小指の付け根が赤くなっていた。水虫になったと思い、皮膚科を受診すると、しもやけと診断された。

 この女性は、血行をよくするビタミンEを配合した飲み薬と保湿用のクリームを処方された。きつい靴を履かないようにとの助言もあった。これらを実践したところ、数日で症状が改善した。

[画像のクリックで拡大表示]

 野村皮膚科医院(横浜市)の野村有子院長は「高齢者や子供にしもやけは多いが、大人でも起こる」と話す。野村院長はしもやけの人を症状や体質などから判別するチェックシートの活用を提案する。ビタミンE入りの保湿用クリームで手足を上手にマッサージする方法も患者に指導している。実践すれば、治療や予防の効果が得られるという。

 指にとるクリームの量は人さし指の第一関節より先にたっぷり付ける程度。これが片方の手または足の分だ。クリームをすり込むようになじませた後、指の付け根から指先に向かって指を1本ずつほぐすようにマッサージする。爪の両側や根元もつまむようにほぐす。手の親指と人さし指の間や、足裏のツボなどを指圧してマッサージすると血行がよくなる。手袋やゆったりとした靴下も活用しよう。

[画像のクリックで拡大表示]

 「マッサージを毎日、夜寝る前や風呂上がりに実践すれば、冷え防止にもつながる」と野村院長は訴える。ケアを続ける目安は「暖房がいらなくなるまで」だ。ケアをせず、しもやけになっても症状を放置すると、悪化して患部がぐじゅぐじゅになってしまう。その場合、傷の深さに応じたステロイド系の塗り薬や抗生物質を使うことになる。

 ただ、寒さが和らいでも症状が長引く場合、しもやけではなく膠原(こうげん)病などが隠れている可能性もある。早めに医療機関を訪れるよう注意したい。

(八木悠介)

ひとくちガイド
◆しもやけ・あかぎれの対策を知るには
 第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局」のページ(http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/40_simoyake/index3.html)

◆血行を改善するマッサージ法を紹介
 ユースキン製薬「自分でできるマッサージ」(http://www.yuskin.co.jp/about/massage/)

[日本経済新聞夕刊2015年3月8日付]

この記事は、日本経済新聞電子版「健康づくり」からの転載です。